「仮想通貨のEOSに投資するか迷っているんだけど、どんな特徴があるの?将来性が明るいかどうかも知りたいな」と悩む方も多いでしょう。
EOS(イオス)は2017年6月から2018年6月の1年に渡りICO(新しい仮想通貨のプレセール)をおこない、ICO史上最高額となる40億ドル(約4400億円)もの資金を調達したことで一時話題となりました。
そして、2018年は時価総額ランキングトップ5以内にランクインしていました。
本記事ではEOSについて、特徴など基礎的な部分からこれまでの価格推移や今後の見通し、購入できる取引所などを解説していきます。
- EOSとはどんな仮想通貨なのか
- EOSの価格推移と将来性
- EOSは買うべきか?EOS購入にデメリットやリスクはあるのか?
- EOSは悪いニュースが多い件
EOSはGooglecloudがネットワークのガバナンスに参加する意向も発表している仮想通貨です。
EOSをBlock.oneは、Google Cloudの安定性、信頼性、セキュリティ、広範なグローバルネットワーク構造を実現する高品質なインフラは、EOSなどパブリックブロックチェーンネットワークと非常に相性が良いと表明しており、注目を集めています。
仮想通貨のEOS(イオス)とは?

通貨(トークン)名 | EOS(イオス) |
ティッカーシンボル・単位 | EOS |
現在の価格(2022年7月時点) | 122.24円 |
時価総額(2022年7月時点) | 約121,416,594,523.28円 |
時価総額ランキング(2022年7月時点) | 48位 |
公式サイト | EOSの公式サイト |
EOS(イオス)は、Dapps(分散型アプリケーション)開発のインフラにもなっている仮想通貨です。
ブロックチェーン開発・Dapps開発で覇権を握っているイーサリアムと近い性能を持ち、かつイーサリアムよりも優れた点もあるため「イーサリアムキラー」と呼ばれることもあります。
ブロックチェーンのプログラムにあまり精通していない方でも簡単にアプリケーションを作成できる特徴があります。
EOS(イオス)の特徴3選
EOSには次のような特徴があります。
- トランザクション処理が速くイーサリアムキラーになる
- 取引手数料が無料
- コンセンサスアルゴリズムにDPoSを採用している
1つずつ解説していきます。
トランザクション処理が早くイーサリアムキラーになる
トランザクションとは「仮想通貨データの取引」のことですが、EOSは他の仮想通貨と比べてその処理速度が非常に速いです。
EOSと他の仮想通貨のトランザクション処理を比べると以下の通りです。
- ビットコイン:6件/秒
- イーサリアム:15件/秒
- イオス:1,000,000件/秒
イーサリアムキラーと呼べるほどのトランザクション処理の速さを持っており、ユーザーからするとありがたいです。
取引手数料が無料
EOSの場合は、取引手数料がかかりません。
多くの仮想通貨では取引手数料を取って、それをマイニング報酬に割り当てています。
対してEOSでは、マイニング報酬は運営側が保有しているトークンから支払われるため、ユーザーが手数料を払うことによって負担しなくていいようになっています。
そのため、ユーザーはコストを気にせずEOSを利用でき、取引量が増加する期待ができます。
コンセンサスアルゴリズムにDPoSが高速処理のカギ
このアルゴリズムには多くの種類があり、代表的なものに、
- PoW(Proof of Work)
- PoS(Proof of Stake)
- PoI(Proof of Importance)
- PoC(Proof of Consensus)
があります。
EoSに採用されているDPoS(Delegated Proof of Stake)は、これらの内のPoSの一種です。
PoSの仕組みは一定以上の通貨を保有しているものにブロックを新規生成する権利が与えられます。
また、PoSは「多くの通貨を保有しているものは、不正を働いたりしてわざわざシステムの信用を落とすような行為はしないだろう」という考えの元に成り立っています。
しかし一方で、通貨を多く保有できる富裕層などに左右されがちな欠点もあり、左右されるとネットワークも混乱してしまいます。
そのデメリットを解消するために考えられたのがDPoS(Delegated Proof of Stake)です。
DPoSでは、通貨(EOS)を保有しているユーザーに対して保有量に応じて投票権が与えられ、投票によってブロックを生成できる者が選出されます。
投票をおこなうことによってより多くのユーザーが関与することができ、電力消費が少く抑えられ超高速な処理速度で行える強みができました。
これがEOSのトランザクションが速い仕組みです。
EOS(イオス)の過去の価格推移
上の画像は、2017年7月から2022年6月までのEOS/USDチャートです。
これまでの価格推移の中で、特に注目すべきポイントは次の3つです。
- 仮想通貨バブルに乗じて高騰、バブル崩壊で急落
- ICOの実施、独自のプラットフォームへの移行に対する期待から高騰
- ICOで集めた資金の使い道に対する悪い噂が立って急落
2017年後半からいわゆる「仮想通貨バブル」が起こり、EOSもご多分に漏れず高騰していますが、その後、バブルが崩壊したことによって急落しています。
ただ、EOSは短期間でふたたび急騰し、バブル時の高値をすぐに更新して見せました。
EOSはもともとイーサリアムの規格(ERC20)でつくられたトークンだったのですが、2017年6月から2018年6月の1年にわたってICOをおこない、ICO完了とともにEOS独自のブロックチェーンに移行しています。
ICOは当時大きな注目を浴びる資金調達形態の1つだったので、EOSは約440億円とICOの過去最高額の資金調達に成功し、それにより価格も上昇しました。
バブル崩壊の急落を短期間で脱して高騰したEOSでしたが、再び急落しています。
その後は長年バブルのときの値を更新できていません。
2018年5月以降に再び急落してしまった要因、急落したのちに持ち直すことができなかった要因は、次のように言われています。
- ICOで集めた資金をEOS開発以外に使ったのでは?と噂された
- 不正にICOをおこなっていたことが発覚
EOSはICOによって、ICO史上最高額の40億ドル(約4400億円)もの資金を調達しましたが、「ブロックチェーンや仮想通貨の開発に、本当にそれほどの多額の資金が必要なのか?」と疑いの目を向ける人もいました。
ICOで得た資金を別の通貨USDT(テザー)の米ドル準備金残高に流用したのではないか?との噂が流れました。
なぜなら、EOSとUSDTは別の企業が発行・運営しているものの、その創始者が同一人物だからです。
テザー社はEOSのICOが完了したのと同じタイミングで米法律事務所による監査レポートを発表し、2018年6月1日時点でテザー社の銀行口座に約2900億円分もの米ドルが預金されていることが発覚。
このような悪い噂が起き、価格に悪影響が起こりました。
2019年に入ってEOSはICOを実施する際、米国証券法に基づく登録をおこなわずに、不正にICOをおこなっていたことが発覚しました。
なお米国証券取引委員会(SEC)は、EOSの開発元であるBlock.one社に2400万ドル(約26億円)の罰金を課し、Block.one社がそれに応じたことで一応の和解にいたっています。
不正な資金調達は投資家を裏切ることになり売りが活発に行われました。EOSは投資家保護の観点をあまり考えられていない仮想通貨と言えるでしょう。
EOS(イオス)はマイナスなニュースが多い仮想通貨
EOSの不祥事やネガティブなニュースは、ICO関連にとどまりません。
- EOSのDappsへのハッキング被害が多発した
- 中国のポンジスキーム「PlusToken」が多額のEOSを動かしていた
- EOSを購入した投資家がEOSの開発元Block.one社を集団で訴えた
- EOSの専用ウォレットで出口詐欺が起こった
- EOSのDeFiで出口詐欺が起こった
- DPoSにおけるマイニング権利保有者が中国人による寡占傾向にある
- 創始者のひとりがEOSの開発元Block.one社を退社した
1つずつ解説していきます。
EOSはハッキングされやすい
2020年にVPNプロバイダーのアトラスVPNは、2009年以降のハッキング被害数においてEOSベースのDappsを標的としたハッキングが侵害数の面で最も成功していると発表しました。
特に2018年はメディアでEOSのハッキング被害が度々報じられて、EOSはその安全性を疑問視されるようになりました。
ハッキングはその通貨の信頼性を失うことにつながり、保有する人は減少します。そのため、最高値を更新できないのです。
中国のポンジスキームの関わっていた?
2020年6月、中国のポンジスキームウォレット「PlusToken」から、多額のEOSが未知のアドレスへ送金されたと報じられました。
PlusTokenの運営者は2020年7月にすでに逮捕されており、逮捕者100人以上、被害者200万人、推定被害額は30億ドル(約3140億円)にも上ると言われています。
詐欺の真相は定かになっていませんが、ウォレットに送られたことでEOSが関わっているのではないかと悪い噂が立ち、売り圧を呼びました。
EOS保有者がEOSを訴える
2020年4月、EOSの開発元Block.one社はEOSを購入した投資家が以下の点を訴えました。
- 米国証券法に違反した状態でICOを実施したこと
- EOSに関連した誇大広告により、投資家の誤解を招くような情報を与えたこと
これらによって多大な不利益を被ったという主張により、集団訴訟されました。
訴えられるほどEOSの信頼性は低くなってしまい、このようなニュースがあると新規参入者が増えません。つまり、価格が上がらないのです。
EOSの専用ウォレットで詐欺が起こる
2020年4月、「EOS Ecosystem」というEOS専用ウォレットが突如閉鎖し、ウォレット運営者が5200万ドル(約55億円)相当の資金を持ち逃げした(出口詐欺と言う)可能性があると報じられました。
EOSはこれ以外にも2018年以降、EOSCUBE、EOSFIN、EOS Voteなど他の関連アプリでも詐欺行為による摘発がおこなわれています。
セキュリティの脆弱性からか、ハッキングや詐欺が多発している価値のない通貨となってしまいました。
EOSのDeFiでも詐欺が発覚
2020年9月、EOS上のDeFiプロジェクト「Emerald Mine(EMD)」で、預け入れらているユーザーの仮想通貨が未知のアカウントに移動されたことが発覚しました。
被害額は約250万ドル(約2億6000万円)にのぼると言われています。
これでまた詐欺の事例が1件増えてしまい、ますますEOSの評価は落ちます。
DPoSにおけるマイニング権利保有者が寡占状態
EOSはコインセンサスアルゴリズムにDPoSを採用していて、目的はコンセンサスをより平等に行うためです。
しかし、EOSの大口保有者の大半は中国人です。
そのため、中国人同士の相互投票や投票の買取などが頻発し、現実には一部の中国人による寡占状態となっていると見られています。
これではコンセンサスアルゴリズムにDPoSを採用している意味がなくなり、EOSの開発団体の詰めの甘さが実だちます。
創始者の1人がEOSの開発元Block.one社を退社
2020年12月、EOSの創始者の一人であり、「天才エンジニア」としても知られているダニエル・ラリマー氏が、EOSの開発元Block.one社を退社し、EOSは大きな痛手を受けました。
EOS(イオス)の最新価格
EOS(イオス)の将来性はある?
ここまで解説したとおり、EOSは
- 過去に不祥事やネガティブなニュースが多数あり、市場からの信用が薄い
- 2020年後半からの強気相場の中でも、あまり伸びていない
というように、ほぼ価値のない仮想通貨です。
またICO時は、Dapps開発の分野でイーサリアムに取って代わるのではないかとも目されていましたが、現在はそのポジションにアバランチやソラナが存在し、EOSは目立っていません。
それどころかポルカドットやコスモスなど、後から生まれたブロックチェーンプラットフォームに立場を奪われつつあり、それらについては時価総額ですでに追い抜かれています。
よって将来性はないと考えるのが合理的です。
EOS(イオス)を購入方法は海外取引所
EOSは海外取引所で購入できます。
- Binance
- OKEx
- HBTC
- Coinbace
- Kraken など
EOSはさまざまな不祥事を起こしているので、仮想通貨の上場に厳密な審査を行っている国内取引所では上場する可能性は低いでしょう。
EOS(イオス)の将来性はほぼない
今回は仮想通貨EOSについて、解説しました。
- EOSはDapps開発に長けたプラットフォーム
- 2017年のICO時は高い注目を集めたが、2021年現在は低迷している
- EOSは、EOS自体にも取り巻く環境にも不祥事や疑惑が多く、購入は推奨しない
EOSは2017年から2018年にかけて実施したICO時に、その性能から高い注目が集まり、40億ドルもの資金調達に成功しましたが、すべてあだとなりました。
その後、EOSに関連した詐欺事件やハッキング被害なども多発し、市場からの信用を失っていきました。
価格も4年ほど最高値を更新しておらず、今後も最高値を更新する可能性は低いとみてよいでしょう。そのため、将来性はなく、保有する旨味がありません。
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