「仮想通貨のファイルコインって価格が急上昇して怪しいけど、どんな特徴があるの?将来価格も教えてほしい」と悩む方も多いでしょう。
ファイルコインは「人々にとって一番大切な情報を保存する」という目的の下で開発された分散型のストレージシステムです。
データ社会の現代で、ブロックチェーンを用いてデータを分散管理し、保有するストレージ要領に問わずデータを保存できるプロジェクトです。
本記事では、ファイルコインの仕組みやこれまでの動向、さらに購入方法まで分かりやすく解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- FILは分散化ストレージサービスであるファイルコインで使用されるトークン
- ファイルコインはICOで280億円以上を調達した
- ファイルコインには既に多くのマイナーが参加している
- ファイルコイン信託の開始によって価格が約6倍に上昇した
- ビットコインを超えると噂されている?
ファイルコインは2021年の時に時価総額が仮想通貨の中でもトップ10に入り、年初来騰落率では、約800%の上昇を記録している注目の仮想通貨です。
参考:仮想通貨ファイルコイン(FIL)が時価総額TOP10入り、年初来+800%の上昇要因は (coinpost.jp)
ファイルコイン(FIL)とは?特徴を解説

通貨名 | Filecoin |
シンボル | FIL |
現在の価格(2021年10月現在) |
759.74円
|
時価総額(2021年10月現在) | 約170,699,226,279.42円 |
市場ランキング(2021年10月現在) | 41位 |
取扱取引所 | Binance BITTREX OKEx Kraken Huobi など |
公式サイト | ファイルコインの公式サイト |
プロジェクトの発足は2014年で、2017年にファイルコインの最初のトークンセールが行われました。
そして、2020年10月に本格稼働が始まりました。ファイルコインの特徴について解説していきます。
従来のデータ保存よりセキュリティを強固にする
現在のクラウド化によるデータ保存は、GoogleDriveやDropBoxといったストレージサービスが提供されるようになり、異なるデバイスを用いたり、複数人でデータを共有することが可能になりました。
しかし、ストレージサービスには以下のような問題があります。
- データセンターにトラブルが発生した場合、データにアクセスできなくなる可能性がある
- 第三者による不正なアクセスや情報漏洩、情報改ざんなども100%起こらないとは言い切れない
まさに中央集権型のデメリットと言えます。実際、データは分散して保存されている可能性はありますが、企業主体でファイルやデータが保存されているため企業のリスクが高いです。
中央集権型の管理を脱却する
そこで、Protocol Labs社は、『IPFS(InterPlanetary File System)』と名付けた新しい方法を考案します。
利用者がデータを取り出す際は、分散化されたデータを一つにまとめてから取り出すことになります。
ファイルコインはブロックチェーン技術をクラウドストレージサービスに応用することで、ファイル保存の完全分散化に成功しています。
マイナーの仕組みがビットコインなどと違う
「マイニング」とか「マイナー」と言えば、ビットコインのマイニングのような、数百台の専用マシンが工場に並べられた風景を思い浮かべるかもしれません。
ファイルコインにもマイナーがいますが、仕組みはビットコインなどとは全く違います。
ファイルコインのマイナーは、自身が持つストレージを貸し出すことでマイニングを行います。
ただ、マイナーになるためには常時安定してストレージを提供する必要があり、それができなければペナルティを負わされる可能性もあります。
そのため、マイナーを個人で行うのは財政的に厳しい面があり、基本的には企業が行うでしょう。
ファイルコインのストレージサービスの利用方法
ファイルコインのストレージサービスを利用するには、少額のFILが必要となります。
保存したいデータをFilecoinのストレージサービスへ保存してFilecoin(FIL)の支払いを行うと、自動的にブロックチェーン技術によって分散化保存されます。
データを取り出したいときは、ファイル保有者だけが持つ秘密鍵によって分散化されたデータが元に戻され、取り出すことが可能になります。
ブロックチェーンで管理されているからといってユーザーが難しい操作を行う必要はなく、従来のクラウドサービスのときと同じように保存を行えるのが便利な点です、。
ファイルコインはなぜ注目されている?
ファイルコインのようなストレージサービスは、他にもストレージ(Storj/STORJ)やシアコイン(Siacoin/SC)などがありますが、なぜファイルコインが注目されているのか見ていきましょう。
ICOで280億円以上を調達して注目を集めている
ファイルコインのICO(Initial Coin Offering)は、2017年に行われ、280億円以上の資金を調達しました。
ICOとは?という方は以下の記事をあわせてお読みください。
このICOは個人投資家ではなく適格機関投資家だけを対象にしていました。つまり、出資をするためのプロジェクトを厳密に選別する適格投資家からも期待されていることになります。
参加した投資家には、世界最大のベンチャーキャピタル・セコイア(SEQUOIA)やスカイプ、コインベースやウィンクルボス兄弟など、大手VCなどが集まっています。
さらに、ICO以前に4,000億円の資金調達も済ませています。中国からの出資だけで4,000億円の出資を受けており、Filecoin用のマイニング機器への投資も完了済です。
ビットコインを超える可能性がある?
But looking further into the world of altcoins, I found some attractive medium- to long-term opportunities that I think can outperform Bitcoin in the future.
So, let’s delve deeper into these three promising crypto picks:
・SingularityNet(AGI)
・Filecoin(FIL)
・Vidt Datalink(VIDT)
ビットコインは、仮想通貨界で圧倒的な存在として君臨し続けていますが、アメリカの電子証券取引所・ナスダックは、2020年12月に発表した「今後ビットコインを超える可能性を持った暗号資産3選」で、その一つにファイルコインを選びました。
ビットコインは知名度と普及率において他の追随を許しませんが、機能の面では特に優れた仮想通貨というわけではありません。
そのため、機能に優れているファイルコインがビットコインを超える可能性があると予想されています。
しかし、ビットコインを超えるには将来にわたって価格を何十倍も上げる必要があり、ビットコインの価値が極端に下がらない限りは無理があるでしょう。
ビットコインは仮想通貨の基軸通貨として動いているので取引量が少なくなることはほぼなく、この予想はあまり期待できません。
マイナーが多い
ファイルコインの成功には、多くの安定したマイナーの確保が必要不可欠だと言われています。
ファイルコインは本格運用が始まる時点で34か国から400人を超えるマイナーが参加を表明し、集まったストレージの総容量は325PB(ペタバイト)に達しました。
マイナーは400人以上を安定して保てればストレージの供給も安定して行えます。そしてマイナーを多くのは企業なので財政面での安全性も高いです。
出資者を募って参加するマイナーも多く、出資者も含めると数万人の人が参加していると言えます。
325PBという容量は、映画約9000万本、あるいはWikipediaのコピーサイト約1400個の保存が可能なほどの容量です。
ファイルコインの最新の価格推移はどうなっている?
ファイルコインは2021年に800%の急騰を見せましたが、現在はその値をほぼ戻しています。
注目されているとはいえボラティリティの高いアルトコインなので、投資する際は急騰に惑わされないよう、注意しましょう。
ファイルコインの価格急騰はなぜ起きた?
ファイルコインは2021年の3月第4週に100ドルを突破した後214ドルまで続伸し、過去最高値(を更新しました。
価格が急騰した背景には以下の要因が考えられます。
- グレースケールの新規投資信託の提供開始
- 他プロジェクトとの連携
- FILトークンの減産
グレイスケールのファイルコイン信託は3月17日に運用を開始し、4月1日にはそれまでで最大となる2万9550FILの買い増しを行いました。
また、ファイルコインは新規発行料の減産を始めるとこの時期に発表しており、トークンの供給量が減るのでその分1枚あたりの価格が上がりやすくなると考え、投資家が集まりました。
ファイルコインの今後の将来性に必要な要因
ファイルコインが直面するであろう今後の課題について説明していきたいと思います。
大きな資金流入が必要
2021年3月の高騰は、グレイスケイル・インベストメンツの投資ファンドが最も大きな理由だと考えられています。
そのため、今後また急騰を起こすにはVCや投資銀行などからの大型出資を受ける必要があるでしょう。
出資を受ければそれだけプロジェクトを成長できる資金が集まり、好循環が起こります。今後もVCなどからの資金調達の動きは注目です。
マイナーを安定して確保する必要がある
安定した運営ができなければ、サービスを利用するユーザーは離れていってしまいます。
なぜならファイルコインはマイナーを確保していないとサービスが成り立たないからです。
マイナーは報酬を得るために参加しているので、将来的にファイルコインの価格が上昇しなければマイナーは離れていき、ファイルコインのサービスが提供できなくなります。
するとファイルコインの価格はさらに下落し、悪循環を生みだします。
競合との差別化
同じブロックチェーンを活用したストレージサービスでも、ストレージ(Storj/STORJ)やシアコイン(Siacoin/SC)など、競合が存在します。
現状はファイルコインが最もメジャーな分散化ストレージサービスですが、ファイルコインの進展が止まれば競合に淘汰される可能性は高いです。
それに、仮想通貨の世界は市場の流れが速いので、今後は新規のプロジェクトで競合が出てくる可能性もあるでしょう。
ネットワークの効率化
分散化したデータを取り出す際は、ネットワーク上の断片化された情報を集め、元のデータに復元する必要があります。
そのため、一定水準の通信速度が求められます。データ量が多くなると通信速度も低下してしまうため、ブロックチェーンなどの工夫をしてファイルコインの利用者が増えたときでも安定して通信速度を保つ必要があるでしょう。
ファイルコインの購入方法は2つある
ファイルコインの入手方法は、大きく分けて2つの方法があります。
- 仮想通貨取引所で購入する
- マイニングへ参加する
1つずつ解説していきます。
仮想通貨取引所で購入
ファイルコインは海外取引所で購入できます。
- Binance
- Bitfinex
- Bittrex
- OKEx
- Huobi
※海外取引所は日本の金融庁の認可を受けていないので利用には十分注意してください。
ただ、海外取引所は日本円を入金して仮想通貨を購入できないので、国内取引所で購入した仮想通貨を送金してその仮想通貨で購入する必要があります。
マイニングに参加して報酬を受け取る
直接マイナーとして参加するにはインフラ投資や設備管理が必要となりますが、マイナーに出資することでマイニング報酬が得られます。
定められた金額を支払うことで、期間中に得られたマイニング報酬の一部をリターンとして得られます。
マイニングの報酬はマイナーが増えるほど報酬が受け取りにくくなるので、行うなら早めに参入するべきでしょう。
個人で行う際は設備の差が法人とあるため、費用対効果が悪くあまりおすすめしません。
ファイルコインの将来性まとめ
本記事ではファイルコインの特徴や価格動向についてまとめていきました。
データ社会の現代で、ブロックチェーンを用いてデータを分散管理し、保有するストレージ要領に問わずデータを保存できるプロジェクトです。
ファイルコインは2021年の時に時価総額が仮想通貨の中でもトップ10に入り、年初来騰落率では、約800%の上昇を記録しています。
- ファイルコインは国内の仮想通貨取引所では扱われていない
- NASDAQによるとビットコインを超える可能性がある仮想通貨の一つであるファイルコイン信託の開始によって価格は初期と比べて約6倍まで上昇
- マイナーを安定して確保する必要がある
ファイルコインには新たなストレージサービスの雄としての活躍が期待されますが、マイナーを確保して適切な報酬を提供する必要があります。
そのためにはファイルコインのプロジェクトを成長させ、価格を上昇させる必要があります。
機関投資家などから大型の資金調達をしているため資金は問題ないと見受けられるので、プロジェクトの進展に期待して投資してみるのもよいでしょう。
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