「仮想通貨にはIEOという資金調達があるけど、ユーザーはどのように利用すれば稼げるの?ICOやSTOとの違いも知りたい」と悩む方も多いでしょう。
IEOとは、ICOやSTOなどと同じように、仮想通貨における資金調達方法の一種です。
IEOは取引所がトークンの審査をして通れば上場でき、資金調達が行えます。ユーザーとしても、注目のトークンを購入できるチャンスになるため、短期的に稼げる可能性が高いでしょう。
- IEOはICOやSTOなどと同じように資金調達方法の一つである
- IEOは取引所による厳しい審査を通しているので、信頼度が高い
- 上場がは値上がりしやすいが、そのあとは暴落するリスクがある
- 日本では、2021年7月にコインチェックで国内初のIEOが行われた
IEOの仕組みを理解し、自分のスタイルに合わせて参加することが大切であると言えるでしょう。
日本では、コインチェックが2021年7月1日に国内初のIEOを実施し、大きな話題となりました。
コインチェックで行われたIEOについても解説していきます。
IEOってどんな制度?
IEOとは「イニシャル・エクスチェンジ・オファリング(Initial Exchange Offering)」の略で、暗号資産を用いて企業がプロジェクトの推進のために資金調達する方法です。
日本でも話題に上がるようになったIEOですが、仕組みがわからないという方も多いかと思います。
まずは、IEOとICOやSTOとの違い、IEOの仕組みなどについて解説していきたいと思います。
ICO・STOとの違いをやさしく解説
IEOとICOやSTOとの違いとは一体何なのでしょうか?
それぞれの情報を表にまとめたので順番に見ていきましょう。
ICO | IEO | STO | |
---|---|---|---|
利用できる人 | 誰でも | 取引所利用者 | 認定された投資家 |
取引相手 | 発行元 | 取引所 | 発行元 |
投資方法 | スマートコントラクトを通して | 取引所を通して | スマートコントラクトを通して |
管理者 | 無し | 取引所 | 無し |
プロジェクトの評価 | 無し | 取引所によって作成 | 米国証券取引委員会などの機関によって作成 |
実行条件 | 無し | 有り | 有り(法律により明記はされていない) |
カスタマーチェック | 第三者によって検証(無い場合もある) | KYC/AML | KYC/AML |
プロモーション | 発行元によって実施 | 発行元と取引所によって実施 | 発行元と取引所によって実施 |
発行コスト | 最小 | 平均 | 平均 |
流動性 | 低い | 高い | 中 |
透明性 | 低い | 高い | 高い |
セキュリティー | 低い | 高い | 高い |
ICO(Initial Coin Offering)とはトークンを投資家に買ってもらうことでプロジェクトの資金を集める仕組みのことです。
ICOは以前、たくさんの投資家の注目の的となっていたのですが、詐欺などの被害が多発し、今ではほとんど使われていません。
仲介業者がなく信頼性が低いというICOの欠点を改善した仕組みがIEO(Initial Exchange Offering)です。
ICOではトークン発行元と投資家がダイレクトで繋がっていましたが、IEOではその仲介に取引所が入ります。
取引所が認めたトークンしか取引できないため信頼性が格段に上がりました。
また、STO(Security Token Offering)は従来の株式や社債などの金融商品をイーサリアムなどにのせて暗号化トークンにし、取引できるようにする仕組みです。
STOはセキュリティトークンと呼ばれ、特定の国の法律において有価証券と定められます。そのためトークンの扱いは、有価証券に適用される法律に準拠しなければなりません。
まとめると、それぞれの違いは以下のようになります。
- IEO:取引所を介して資金調達をする方法
- ICO:トークンを直接投資家に購入してもらい資金調達する方法
- STO:法律に準拠して資金調達をする方法
安全性の観点で見ると、IEOやSTOが安全に投資家としても利益が上げられます。
IEOが始まった歴史
2017年ごろに新しい資金調達方法としてICOが流行り始めました。
仕組みはとてもシンプルで以下の流れで行われます。
- 新規プロジェクトの資金調達のために新しいトークンを作成する
- ︎投資家にプロジェクトの宣伝をし、トークンを買ってもらう
新規トークンの値上がりを狙った投資家がこぞって参加したのですが、法的な規制が整備されておらず詐欺プロジェクトの資金調達が横行しました。
詐欺が横行したため、投資家保護のためにICOに変わる資金調達方法として誕生したのがIEOです。
IEOの安全な仕組み
IEOとは取引所を仲介してトークンの取引をする仕組みです。
- 新規プロジェクトの資金調達のために新しいトークンを作成する
- 取引所がプロジェクトを審査し、選ばれた銘柄のみが新規上場
- 取引所を通してトークンの取引を行う
株式上場の仕組みと似たような流れであると言えるでしょう。
IEOのメリット4選
IEOのメリットは主に下の4つです。
- プロジェクトの安全性が高い
- 投資家が参加がしやすい
- 運営側もSNSなどの宣伝が不要
- 資金調達が容易
1つずつ解説していきます。
プロジェクトの安全性が高い
IEOは取引所の厳重な審査があるので、信頼が高いのが特徴です。
取引所が選んだ銘柄だけを新規上場するため、株取引と同様の信頼性が見込まれています。
取引所がかなり念入りに審査を行っているので、ICOの時のような詐欺まがいのトークンは事前に排除される可能性が非常に高いと言われています。
投資家が参加がしやすい
ICOではトークン発行元と直接繋がっていなければ取引できませんでした。
しかし、IEOでは取引所のアカウントを持っていれば誰でも気軽に参加できます。
また、ICOではトークンの買い手を自分で探さなくてはならず、取引が簡単であるとは言えませんでした。
一方、IEOでは取引所にすでに買い手と売り手が集まっているため取引がスムーズに行えます。
運営側もSNSなどの宣伝が不要
IEOは投資家だけではなく、プロジェクトの立ち上げを考えている企業側にもメリットがあります。
ICOではトークン発行元と投資家が直接取引をする仕組みであるため、企業側がプロジェクトの存在を知らせるために宣伝活動を行う必要がありました。
しかし、IEOでは仲介者である取引所がプロモーションを実施してくれるため、企業側もプロジェクトの開発に集中できます。
プロモーションコストを削減することができるため、将来的には様々な企業がIEOによって資金調達を行うのではと期待されています。
資金調達が容易
プロジェクトの立ち上げがスムーズになることも、IEOにおける大きなメリットです。
これまで、企業が市場から資金調達を行う際は、IPO(Initial Public Offering)を行うことが一般的でした。
ただ、上場するための準備期間が必要で条件が厳しかったりと、立ち上げたばかりのプロジェクトにはハードルが高いのがデメリットであると言われていました。
もちろん、IEOでもプロジェクトがしっかりしていないと取引所に断られてしまいますが、東証に上場するよりはるかにハードルが低いです。
現在、値段の高騰が期待できる新規トークンを数多くの投資家が欲しがっているため、上場できれば資金がすぐに集められると言われています。
IEOのデメリット
大きな期待をされているIEOですが、デメリットもあります。
IEOの主なデメリット以下の通りです。
- 上場後に価格が暴落するリスクが高い
- 取引所の審査に通り必要がある
- 法的規制によりメリットが減る可能性がある
1つずつ解説していきます。
上場後に価格が暴落するリスクが高い
IEOで販売が開始された新規トークンは上場後に一時的に値上がりする傾向があります。
しかし、一時的なので一定の期間が経つと値段が大暴落する仮想通貨がほとんどです。
IEOの参加者が新規トークン販売開始後、すぐに売り抜けて利益を確定させるからです。
そのため、投資家としてIEOに参加する際はあくまで短期投資になると覚えておきましょう。
取引所の審査に通る必要がある
IEOはこれからさらに発展していくであろう新たな仕組みであるため、信用を損ねることはあってはなりません。
そのため、特に最初の頃は取引所の審査が厳しくなると予想されています。
審査が厳しければ、それに伴って、扱われるトークンの数も限られてしまうため、その部分はデメリットであると言われています。
法的規制によりメリットが減る可能性がある
ICOに比べると格段に信頼度が高まったと言えますが、詐欺などの犯罪に利用される可能性も否定できません。
また、完全には整っていないICO関連の法律やルールの整備が実施されたとき、どのようになるかはわかりません。
IEOはICOに比べて詐欺などのリスクが低いので過度な法整備はされない可能性がありますが、規制は安全性は高められますがメリットは減るため、投資家としてはデメリットになるでしょう。
コインチェックは日本初のIEOを行っている
コインチェック株式会社と株式会社Hashpaletteは、日本初のIEOの実現に向け共同プロジェクトを発足しました。
Hashpaletteにおいて、ユーティリティ性を有するトークンである「パレットトークン(PaletteToken, PLT)」の発行を行い、「Coincheck」でパレットトークンの販売を行うと発表されていました。
パレットトークンは、「パレット(Palette)」と呼ばれるマンガ・アニメ、スポーツ、音楽をはじめとするコンテンツのためのブロックチェーンプラットフォームで利用することができます。
コインチェックは国内初のIEOとして大きな注目を集め、約12万人もの参加者が集いました。
IEOへの参加方法
実際にIEOに参加するにはどうすれば良いのでしょうか?
IEOへの参加方法について解説していきたいと思います。
コインチェックでのIEO
コインチェックは、2021年7月1日に「Coincheck IEO」の提供を開始し、大きな反響を呼びました。
コインチェックの例を用いてIEOの参加方法をみていきたいと思います。
- STEP1:取引所にアカウントを開設
- STEP2:必要量以上のコインを購入
- STEP3:抽選・トークンの交換
各取引所では多くの場合、取引手数料支払いなどで使われる独自仮想通貨が存在します。その独自仮想通貨を一定量保有していることがIEO参加条件にしています。
また、通貨の保有量に対して、IEO取引参加のための抽選券が配られます。
IEOはコインの保有量対して配られた抽選券により抽選が実施されます。期日になり当選すると、保有している仮想通貨が新規発行トークンに自動的に交換されます。
IEOを行っている海外取引所は多い
海外取引所ではもうすでにIEOが実施されています。
- Binance
- Houbi
- Bybit
それぞれどんな取引所か見ていきましょう。
※海外取引所は日本の金融庁の認可を受けていないため、利用には十分注意してください。
Binance
バイナンスは取扱通貨数が300種類以上と、世界最大級の仮想通貨取引所として有名です。
「Binance Launchpad」は、2017年12月にローンチされた世界初のIEOプラットフォームです。
今のところ、1ヶ月に約1〜3件のペースでIEOが行われています。
バイナンスでIEOに参加するには、バイナンスコイン(BNB)の保有が必要です。
BNBの保有量に応じて抽選券が配布されるので、IEOが実施されていない期間にBNBを保有しておきましょう。
BNBはIEOの用途のほかにも、Binanceで取引する際の取引手数料の支払いに使え、使うと手数料が割引されるのでメリットが多い通貨です。
Houbi
Huobi Primeは、世界最大級取引所の1つフォビ(Huobi)が運営するIEOプラットフォームです。
バイナンスに比べると開催頻度は低いですが、約1ヶ月に1件のペースでIEOが行われています。
Huobi PrimeもIEOに参加のために独自トークンであるフォビトークン(HT)の保有が必要です。
Huobiはバイナンスとは違い、先着順での購入となるのでIEOが始まったらすぐに申し込みをしないと購入できないようです。
Bybit
Bybitには他のIEOとは少し違いますが「ローンチプール」と呼ばれるものがあります。
Bybitのローンチプールとは、自分の保有するBITトークンをBybitにステーキングすると報酬として新規上場銘柄の利回り収入が得られる制度です。
他のIEOと違うのは抽選ではなく利回りとして全員に配布されるため、誰でも稼げるチャンスが回ってきます。
ステーキングについて詳しく知りたい方は以下の記事をお読みください。
IEOは誰でも利益を上げられるチャンス
今回は、IEOの仕組みや特徴についてまとめてきました。
- IEOは投資家も安全に稼げるチャンス
- IEOを行っている主な海外取引所はBinance・Houbi・Bybit
- IEOにはデメリット存在する
- IEOに参加するためにはその仮想通貨取引所の口座が必要である
- 日本では、コインチェックが国内初のIEOを実施した
IEOはまだ発展途上なテクノロジーであるがゆえに今後の価値の高まりに期待ができます。
IEOが発表された時にすぐ参加できるよう、コインチェックなどで口座開設しておきましょう。
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