「ステーブルコインの1つにJPYCというコインがあるけど、どんな特徴なんだろう。保有する価値はあるのかな?」と悩む方も多いでしょう。
JPYCは「ERC20規格」では日本初の日本円ステーブルコインです。
最近では有名な米ドルステーブルコインUSDCの設立者Circleの投資部門が出資したことでも話題になりました。
本記事ではJPYC(JPY Coin)の特徴や今後の将来予測まで解説します。
- JPYC(JPY Coin)は2021年にリリースされた「ERC20規格では」日本初の日本円ステーブルコイン
- 二次流通市場や楽天等のECサイト、ブログの投げ銭機能など、様々な用途に利用されている
- 今後もサービスが拡大し、官公庁などと連携するなどインフラとしての役割を担う可能性も期待できる
- 購入する際はコインチェックなどの国内取引所でビットコインやイーサリアムを購入し、公式サイトで購入することがおすすめ
JPYC(JPY Coin)に興味がある方、購入してみたいという方はぜひ参考にしてみてください。
JPYC(JPY Coin)はビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨で購入することが可能なため、購入したい方はまず国内取引所でビットコインやイーサリアムを購入しましょう。
JPYC(JPY Coin)とは
JPYC(JPY Coin)は1円=1JPYCで交換することができる「ERC20規格では」日本初の日本円ステーブルコインです。
イーサリアムの規格であるERC20をブロックチェーンとして採用しており、イーサリアムメインネット等での取引に利用することができます。
日本円のステーブルコインとして設立され、決済や運用に利用されます。
JPYC(JPY Coin)はJPYCの運営元から購入することとMetamaskやUniswapなどの二次流通市場で購入することが可能です。
現在VISAカードや楽天など様々な場所で利用を拡大しており、同じく、ドルのステーブルコインUSDCの発行で有名なCircle社から出資を受けるなど注目を集めています。
JPYCは前払式支払手段扱いとなっており、いわゆるブロックチェーン上のプリペイドカードのもようなものです。
JPYCの注目度は2022年5月10日に総発行額が10億円を突破していて、2021年8月に1億円に到達後9カ月間で総発行額は10倍まで拡大しているステーブルコインなのです。
JPYC(JPY Coin)の特徴5選
JPYC(JPY Coin)の特徴は以下の通りです。
- ERC20 自家型前払式支払手段
- 流動性提供プログラムを実施している
- 売買や2次流通で使用可能
- ふるさと納税をはじめ様々な用途が開発・想定されている
- 複数の企業から出資を受けている
1つずつ解説していきます。
ERC20式の自家型前払式支払手段
JPYCはイーサリアムブロックチェーン上に構築されている日本円のステーブルコインです。
日本円と1:1で価値が決定されているという「ERC20規格では」日本初の日本円ステーブルコインになります。
先ほどの説明した様に、JPYC(JPY Coin)は「自家型前払式支払手段」をとっており、構造としては、JPYCの運営会社からJPYCを購入し、それを市場で利用・取引することが可能です。
そのため、JPYCは通貨建資産という分類になります。
JPYCの流動性の維持に協力すると報酬が貰える
JPYC(JPY Coin)はインセンティブ提供プログラムという名前で流動性の提供プログラムを実施しています。
このプログラムでは、Uniswapなどの分散型取引所でJPYCの流動性の維持に協力した場合、提供量と提供期間に応じて報酬を受け取れるシステムです。
報酬はステーブルコインのUSDCで提供されています。
提供可能な金額は5000万円から50億円であり、提供期間は1-5年です。
預けた金額や期間に応じて毎年預けた(流動性に協力した)金額の2%-10%の報酬を得ることができます。
ただ、インセンティブ提供プログラムの利用は富裕層や機関投資家向けにはなるでしょう。
しっ払い手段として優秀
JPYC は主に「物の売買」と「二次流通市場での取引」に利用可能です。
売買では、現在JPYC(JPY Coin)の販売サイトを通して、楽天市場とYahoo!ショッピングでの購入をJPYC(JPY Coin)で行えます。
また、JPYCは資産としてUniSwapなどのDEXやその他の物を二次流通市場で取引することも可能です。
世界でビットコインが支払手段となっているように、今後はJPYCが支払手段となる可能性もあります。
ビットコインよりも円に価格が連動するJPYCを利用した方が保有する安定性も高いため、JPYCを保有する人も増える可能性もあるでしょう。
ふるさと納税をはじめ様々な用途が開発・想定されている
JPYC(JPY Coin)は今後もさらに用途が増えることが予想されます。
例えば2021年にJPYC(JPY Coin)はNFTへの売買でイーサリアムネットワークの手数料が高騰していることから、Polygonなどのイーサリアムサイドチェーン上でJPYC を販売し、NFTを利用する人々の手数料を大幅に引き下げるという取り組みを行っています。
ネット専用のプリペイドカードである「Vプリカギフト」と等価交換できるようにもなり、グローバルでVisaネットワークを利用して決済することを可能にしました。
そのほかにもふるさと納税への対応や分散型ブログでの投げ銭機能への活用など様々なサービスへの拡大を広げています。
JPYCは日常的に利用するサービスの支払い手段としてどんどん利用用途が増えていき、今後は飲食店などでも支払い手段として使えるようになるかもしれません。
そうなると、稼いだ仮想通貨をJPYCに換金することで日本円への換金で盗られる手数料を取られずにコストを抑えて支払いできます。
大手企業から出資を受けている
JPYC(JPY Coin)はその期待値の高さから複数の企業から出資を受けています。
- 日本円ステーブルコイン社会実験「ZEN」の発起メンバーのアステリア
- USDCを設立したCircle社
このように複数の企業がJPYC(JPY Coin)に期待し、協力しています。
Circle社が海外のステーブルコインに出資をしたのは初めてで、出資意図として、世界的にステーブルコインのプロトコルが統一されたほうが便利ではないかという考えをJPYCの代表岡野さんは明言しています。
参考:ステーブルコインの「JPYC」、発行額が10億円に──9カ月で10倍に拡大した理由 | coindesk JAPAN | コインデスク・ジャパン
JPYC(JPY Coin)の仕組み【なぜ価格が保てる?】
JPYC(JPY Coin)は日本円と1:1で価格が推移する仕組みの資産ですが、その仕組みを解説していきます。
JPYC(JPY Coin)には2種類の価格があります。
- JPYC 公式サイトにおける価格
- 二次流通市場での取引価格
JPYC(JPY Coin)公式サイトでの価格は常に1JPYC=1円で保たれています。
そのため、公式サイトでJPYC(JPY Coin)を購入した場合やJPYC(JPY Coin)で楽天などで売買を行った時は1JPYC=1円となっています。
しかし、二次流通市場での取引価格においては価格は1円にとどまらず、変動します。
この場合、運営側はJPYC(JPY Coin)の価格安定メカニズムを適用します。
このメカニズムでは、1JPYCの二次流通価格が1円以下の時、ユーザーはETHなどのトークンをJPYCに変換し、JPYCで安く物を購入することでJPYCの価格が上昇します。
また、1JPYC二次流通価格が1円以上の際はJPYC運営会社が1JPYC=1円で販売することで二次流通価格も下落します。
仕組みとしてはステーブルコインのTerraなどが採用しているアルゴリズム型に似ていますが、JPYCはJPYCの他の独自トークンを採用していないので、Terraなどよりも価格の安定性が保たれやすいでしょう。
JPYC(JPY Coin)の今後の将来背はあるの?
JPYC(JPY Coin)の今後の見通し・将来性で想定されるものをポイントをあげて説明していきます。
- 取り扱い事業者が増加し、普及が広がっていく
- NFT市場の成長に合わせて成長
- 日本政府を含めた観光庁との連携によってインフラとして普及
1つずつ解説していきます。
1. 取り扱い事業者が増加し、普及が広がっていく
まず、JPYC(JPY Coin)を取り扱う事業者が増加し、普及が広がっていく可能性があります。
JPYC(JPY Coin)のようなステーブルコインは仮想通貨業界以外の仮想通貨に馴染みのない人たちも使えるようになることで、認知が大幅に拡大し、利用者が増加する可能性があります。
JPYC(JPY Coin)はすでにVISAプリペイドのVプリカギフトに等価交換することでVISAネットワークで利用ができるほか、小売店では楽天などの取り扱いがあります。
また、海外の富裕層が日本へ来た際に、ビットコインなど仮想通貨を日本円に換金するよりJPYCに換金した方が手数料などを安く抑えられるため、富裕層などからの需要も期待できるでしょう。
2. NFT市場の成長に合わせて成長する
JPYC(JPY Coin)はイーサリアムブロックチェーンベースの日本円ステーブルコインであり、NFT市場での決済手段としても利用されています。
JPYC(JPY Coin)は一般的にNFT市場の決済で利用されるイーサリアムやポリゴンなどと異なり、価格が非常に安定しています。
そのため、販売して得た通貨の価値が下がらないという意味で安心して売買に利用できるでしょう。。
今後NFT市場が成長していくに従ってJPYC(JPY Coin)の利用者も増加し、普及が拡大していく可能性があります。
3. 官公庁との連携によってインフラとして普及していく
JPYC(JPY Coin)は今後の計画として官公庁との連携を予定しています。
JPYC(JPY Coin)が今後官公庁の承認を得て、何らかの連携事業に拡大した場合、JPYC(JPY Coin)が日本円の代替となり、通貨にとどまらずインフラとしての役割を担う可能性があります。
その場合、JPYC(JPY Coin)の需要は大きく増え、様々な場面でJPYC(JPY Coin)が利用されるようになります。
また、自民党デジタル社会推進本部NFT政策検討PTから「NFTホワイトペーパー(案)」が公開されており、国家レベルでの成長とともにJPYCが使われるかもしれません。
JPYC(JPY Coin)の購入方法4ステップ
ここではJPYC(JPY Coin)の購入方法の一つを紹介します。
- ビットコインやイーサリアムを購入する
- ウォレットを作成する
- JPYCの購入フォームを入力する
- JPYCを受け取る
1つずつ解説していきます。
1. ビットコインやイーサリアムを購入する
まずはJPYCを購入するためのビットコインやイーサリアムを購入します。
ビットコインやイーサリアムの購入はシンプルで使いやすい取引所が人気のコインチェックがおすすめです。
仮想通貨を初めて触る人でも安心して利用できるほどわかりやすい設計がされています。
2. ウォレットを作成する
購入したJPYCはウォレットに送付されますので、JPYCを購入する際はウォレットが必要になります。
Metamaskはこちらから開設することが可能です。
Metamaskはgoogle chromeの拡張機能としてダウンロード・利用するウォレットのため、上記の公式サイトにアクセスし、Google Chromeに追加します。
そしてパスワードや暗号鍵を設定し、登録を行います。
3. JPYCの購入フォームを入力する
次にJPYCコインを購入しましょう。
JPYCコインはこちらから購入することが可能です。以下は購入手順です。
- 購入ページを開いて支払い方法を日本円かビットコイン・イーサリアムから選択
- 購入金額などを入力
- ウォレットのアドレスを入力
ウォレットのアドレスは作成したMetamaskに表示されている数字の羅列になりますので、クリックしてコピーしましょう。
ウォレットのアドレスを間違えるとせっかく購入した仮想通貨が届かず紛失してしまうことになるので注意しましょう。
フォームの入力後はJPYCの代金を支払います。
銀行振り込みの場合は指定の口座に振り込み、イーサリアムなど仮想通貨支払いの場合は指定のアドレスに送金します。
これで購入の手続きは完了です。
4. JPYCを受け取る
最後にJPYCを受け取ります。
JPYCの振り込みは平日の10:00-19:00の間になり、休日に申し込んだ場合は翌平日に振り込まれます。
振込みが行われた後、Metamaskに送金が反映されない場合があります。その際は次の手順でチェックしてみてください。
- Metamaskを開き、トークンを追加のボタンを押す
- 出た画面のタブをカスタムトークンに切り替える
- Token Contract Address にJPYCのコントラクトアドレスを入力
JPYCのコントラクトアドレスは「0x2370f9d504c7a6e775bf6e14b3f12846b594cd53」です。
コントラクトアドレスはネットワークによっても異なるので、ネットワークに合わせたコントラクトアドレスを利用しましょう。
JPYCのコントラクトアドレスは公式サイトから確認できます。
シンボルがJPYCのトークンを追加すると、受け取ったJPYCが反映されます。
JPYC(JPY Coin)に関してよくある質問
ここでは、JPYC(JPY Coin)に関するよくある質問に回答していきます。
- JPYC は直接日本円に払い戻しできますか?
- JPYC とそれに関連するサービスの持続可能性はどうなっていますか?
1つずつ解説していきます。
JPYC は直接日本円に換金できる?
JPYCは日本円に直接的な払い戻しはできません。
しかし、二次流通市場で別の仮想通貨に変換し、そこから日本円に交換することは可能です。
JPYCとそれに関連するサービスの持続可能性はどうなっていますか?
JPYCが抱えているリスクの一つとして、倒産リスクがあります。
ただ、日本のVCとして実績のある日本ベンチャーキャピタルパートナーズ代表の村口和孝氏が投資しているなど、ファイナンスやガバナンス面で高い評価を受けているため、当面倒産リスクはないとのように公式サイトには記載されています。
ステーブルコインの倒産リスクは現在のTerraエコシステムのようにシステムの脆弱性をつかれて複数社の攻撃を受けた場合などが想定されるため、価格を安定させるシステムが安全なJPYCはそのようなリスクは低いとみられます。
JPYC(JPY Coin)は日本発の注目ステーブルコイン
今回はJPYC(JPY Coin)について解説しました。JPYCはすでに総発行額が10億円を突破している注目のステーブルコインです。
今後、NFTやステーブルコイン市場が成長すればそれに伴ってJPYCも成長する可能性が高く、ステーブルコインの成長はすでに織り込まれています。
なぜなら、バイデン大統領の大統領令をはじめ、アメリカは暗号資産を推進する動きに舵を切っているからです。
JPYCの今後は支払い手段として明るいので、気になる方はぜひ保有してみると良いでしょう。
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