「NFT音楽を購入しようか迷っているんだけど、どんな特徴があるの?販売事例や購入方法も教えてほしい」と悩む方も多いでしょう。
NFT音楽はNFTアートに次ぐ今後ブームになる産業と注目している人も多く、今のうちに知識をつけておくことは圧倒的なアドバンテージになります。
そもそも音楽産業は世界共通で人気のある産業であり、もう1つの世界共通のテーマであるアートが流行したならば、音楽も流行する可能性が高いでしょう。
事実、NFT音楽をのプラットフォームが続々と登場しており、詳しくは後述しています。
本記事では、NFT音楽の仕組みや特徴、NFTマーケットを利用した購入・出品方法を解説します。
- NFTマーケットに自分の作品を出品したり、アーティストのオリジナル作品を購入できる
- 著名アーティストもNFT音楽に注目しており、日本では小室哲哉氏が参加を表明
- 知名度の低いアーティストでも収益化が可能で、音楽業界に大きな衝撃をもたらす可能性がある
- OpenSeaやThe NFT RecordsなどNFT音楽を取引できるプラットフォームを紹介
- NFT音楽の購入方法を詳しく解説
- NFT音楽販売・出品方法を解説
米ミュージシャンのスティーブ・アオキ氏はNFT音楽を取り入れていますが、「10年間音楽をやってきて、これまで6枚のアルバムをリリースしたけど、それらを全部合わせた収入よりも、去年のわずか一回のNFTドロップによる収入が上回ったんだ。そのおかけで、より音楽に対して一辺倒になれたんだ。」と発言しています。
NFT音楽の収益性の高さは注目を集める重要な要因になるでしょう。
参考:スティーブ・アオキ氏「NFT収入が音楽収入を上回った」 (coinpost.jp)
NFT音楽とは?
NFT音楽の概要についてわかりやすく解説していきたいと思います。
「NFTってそもそも何…?」という方でもわかるように丁寧に解説していくので、是非参考にしてください。
NFTとは
NFT音楽を理解するためにも、まずはNFTの仕組みについてお伝えします。
NFTにはデータを改ざんできず、唯一性を保てるブロックチェーン技術が用いられているため、そのうえで取引するデジタル上の財に関しても高い改ざん耐性が生まれるのです。
NFT音楽ってどんなもの?
NFTの技術を音楽業界に適用させたものを「NFT音楽」と言います。
たとえばデジタルアートを専用のマーケットで売買する場合、通常の取引だと作品の唯一性を保証することが難しいため、多数の複製や模倣品が市場に流れる恐れがあります。
一方、NFT技術を用いたデジタルアートであれば、出品された作品それぞれに所有証明書が付与されるため、購入者は複製や模倣品をつかまされるリスクを考える必要がありません。
NFT音楽は出品者の楽曲に所有証明書が付与され、所有者限定のコミュニティ活動が行われているところもあります。
NFT音楽の特徴
音楽業界で活用されるNFTには、アートやスポーツなど、ほかの分野にはない独特の仕組みが存在します。
売上の一部が出品者に還元される
NFT音楽でもっとも一般的な形は、音楽作品を売買できるデジタルマーケットに出品するアーティストとその音源を使いたい利用者に分かれ、取引が成立するとアーティストに売上の一部が還元されるというものです。
音楽作品を売買できるデジタルマーケット自体は新しい考え方ではありませんが、従来こうした取引では作品の唯一性が保証されていませんでした。
しかし、NFTによって作品の唯一性が確保されたことで、作品の買い手は安心して楽曲を購入することができます。
音楽作品の二次流通が起きると購入者も還元を得られる
アーティストだけでなく、購入者が売却をして購入された際に売上の一部を還元できる仕組みも開発されています。
NFTマーケットによって条件は異なるものの、こうした仕組みを取り入れるプラットフォームでは、基本的に自分の購入した音楽作品が世の中に広まるほど獲得ロイヤリティが増えます。
すると購入者は積極的に作品を広めようとするため、アーティストにとっても自身の著名度が高まり、アーティストと購入者の双方にメリットをもたらします。
この仕組みはNFTならではの画期的な仕組みで、アーティストの収入が上がる源泉です。
転売されると儲かる
音楽業界では、特定の作品を購入してそれを他者に売る「転売」が行われる場合も珍しくありません。
たとえば中古音楽ショップで購入したレコードを、ヤフーオークションやメルカリで第三者に売却するといった方法です。
しかし転売は転売者の元にしか利益がいかず、アーティストは収益を得られません。
ただ、NFTにすれば転売による転売者の利益から何%か自分の元に来るように還元率を設定でき、転売者によく業界の搾取を防げます。
NFTが音楽業界に与えた影響
NFTには、ここまでお伝えしたような画期的な仕組みがあることから、音楽業界に大きな影響を及ぼすとされています。
特に購入者自身にもロイヤリティをもたらすという仕組みは、知名度の低さで悩まされてきた多数のアーティストを救うものになるかもしれません。
現在はSNSを始めとしたコミュニケーションツールが発達しているため、誰かの目に留まればたちまち情報が広がり知名度を上げられます。
つまり、音楽作品のマーケティングやプロモーションを購入者自身がサポートしてくれるということです。
NFTの仕組みを活用することでマイナーアーティストがいきなり注目を浴びたり、メジャーデビューすることなく収益化を実現したりといったことも考えられます。
音楽業界はプラットフォームによる手数料が高く、アーティストはプラットフォームに協力してもらわないと外部露出ができず、しかしプラットフォームに協力してもらうと手数料が取られて収入が減るというジレンマに陥ってました。
これを解決するのがNFTなのです。
NFT音楽の事例を紹介
NFT音楽の仕組みを理解できるよう、同ジャンルにおける複数の事例をご紹介します。
著名ミュージシャンの小室哲哉氏
日本最大級のデジタルフェスであるイノフェスとNFTマーケットプレイスの「.mura」がコラボし、2021年秋より小室哲哉氏による音楽制作パフォーマンス作品を販売します。
.muraでは現在、ニルギリスや浅田祐介氏、clammbonなど多数のアーティストの参加が決定しているが、日本音楽業界のレジェンドである小室氏が参加することでさらなる盛り上がりが期待できます。
テスラCEOのイーロン・マスク氏
I’m selling this song about NFTs as an NFT pic.twitter.com/B4EZLlesPx
— Elon Musk (@elonmusk) March 15, 2021
テスラのCEOであるイーロン・マスク氏は、2021年3月15日に自作のEDM楽曲をNFT化して販売することを公表しました。
この発表はTwitter上で行われ、人気デジタルアーティストであるBeeple氏が約75億円で落札する意向を示しています。
イーロン・マスク氏も注目しているため、NFT音楽の将来性に期待できます。
デヴィッド・ボウイ氏、ビヨンセ氏など
2021年9月6日、海外音楽業界の著名アーティストであるデヴィッド・ボウイ氏やミック・ジャガー氏、ビヨンセ氏などのNFTアートワークが発売されました。
NFTマーケットの一つであるTerra Virtuaが、新進アーティストのL.A.ミジォット氏と共同で制作し、同マーケットで発売中です。
スヌープ・ドッグ氏
米有名ラッパーで暗号資産(仮想通貨)ビジネスに積極的に携わっていることで知られるスヌープ・ドッグとのコラボし、最新アルバム「 B. O. D. R(Bacc On Death Row)」の音楽NFTが含まれる「スタッシュボックス」が、Gala musicで販売されました。
NFT音楽を売買できるプラットフォーム3選
NFT音楽を売買できるプラットフォームは以下の通りです。
- OpenSea
- The NFT Records
- Gala music
それぞれのプラットフォームについて詳しく解説していきます。
OpenSea
音楽以外にもアートやスポーツ作品、トレーディングカードなどを扱い、取引量が世界最大のNFTマーケットです。
2021年8月の流通総額は約3,650億円にものぼり、その規模は世界でも圧倒的です。
NFTが最も流通するプラットフォームなのでア数多くのNFTがあり、これからNFTを始める人におすすめのプラットフォームになります。
The NFT Records
Gala music
NFT音楽に特化したNFTマーケットは世界初の取り組みとなります。
Gala music
Gala musicはブロックチェーンを使ったP2E(Play-to-Earn)ゲームを開発するGala Gamesが音楽分野に特化して開発したプラットフォームです。
著名EDMミュージシャンのBT氏と提携しており、独自のコミュニティである「888 Inner Circle」を用意しています。
Galaはゲーム開発を中心に行っていて、以下の記事で詳しく解説しています。
Gala Gamesとは?仮想通貨GALAの将来性や特徴を簡単解説
NFT音楽の購入方法5ステップ
NFT音楽を購入する方法について、本記事ではOpenSeaを例に挙げて解説します。
- 仮想通貨取引所で原資(仮想通貨)を購入する
- 仮想通貨ウォレットのアカウントを取得
- 購入した仮想通貨をウォレットに送金
- OpenSeaの会員登録とウォレット連携
- NFT作品を探して購入する
それぞれの手順について画像付きで詳しく解説していきます。
仮想通貨取引所でETHを購入する
NFT音楽はブロックチェーン上の取引である以上、作品の売買には仮想通貨が必要です。
NFT作品を購入する原資となるのは基本的にイーサリアム(ETH)となります。
イーサリアムを取り扱っている仮想通貨取引所はたくさんありますが、なかでも独自のNFTマーケット「Coincheck NFT(β版)」を提供するコインチェックがおすすめです。
コインチェックの口座開設手順は以下の通りです。
- 「コインチェック公式サイト」にアクセス
- 「会員登録」をクリック
- 登録したいメールアドレスとパスワードを設定
- 登録したアドレス宛にメールが届くため、なかにあるURLをクリック
- 「本人確認書類を提出する」をクリック
- 電話番号を登録してSMS認証をする
- 本人確認をする
本人確認は運転免許証やパスポートなどを用意し、その画像をアップロードしましょう。
本人確認が完了するとコインチェックで仮想通貨を購入できます。
コインチェックの会員ページにて、左側メニューにある「販売所(購入)」を選択します。
すると販売所ページに移行するので、「ETH」を選択し、数量や交換する通貨(ここではJPYを選択)を設定して「購入する」をクリックして購入しましょう。
ウォレットを登録
NFTマーケットで売買を行うには、あらかじめ仮想通貨を保管するウォレットを取得しておかなければなりません。
NFTマーケットとウォレットを連携させることで、作品を購入したときにウォレットの残額から決済される仕組みです。
ウォレットはMetaMaskが代表的で、登録手順は以下の通りです。
- 「Chromeウェブストア」にアクセスしてMetaMaskの拡張機能をダウンロード
- 「ウォレットの作成」をクリック
- 「同意します」をクリック
- パスワードを設定
- 「秘密のバックアップフレーズ」の画面へ移行するので「秘密の言葉を表示するには、ここをクリックします」をクリック
- 表示された英単語をすべて正しく選択
これでウォレットの登録はすべて完了です。
購入したETHをウォレットに送金
先ほど仮想通貨を買ったコインチェックからMetaMaskにイーサリアムを送金します。
- コインチェックの管理画面メニューにて「コイン送金」を選択
- ここで宛先や送金数を記載
- 「送金する」をタップ
宛先(アドレス)については、登録したMetaMaskにログインし、そのトップページ上部のアカウント名「0x~」から始める英数字をコピペしましょう。
OpenSeaの会員登録とウォレット連携
OpenSeaを利用してNFT音楽を購入します。
- 「OpenSea」にアクセス
- トップページ右上にあるアカウントマークから「My Account Settings」を選択
- 先ほど登録したMetaMaskアカウントを選択
- 「接続」をクリック
- 「署名」をクリック
- 「Username」にユーザー名を、「Email Address」にメールアドレスを入力
- 登録したアドレス宛にメールが届くため、「VERIFY MY EMAIL」をクリック
「Bio」という項目は記載しなくても大丈夫です。
これでMetaMaskとの連携も完了です。
NFT音楽を購入する
登録が完了すると、そのままOpenSeaの会員ページへ移行します。
トップページ右上にある「市場」から「音楽」のジャンルを指定しましょう。
するとNFT音楽の作品一覧が表示されます。
あとはETHで購入できるNFT音楽を探して好きなものを購入しましょう。
NFT音楽の販売方法・売り方
NFT音楽を購入するだけではなく、販売したいという方に向けて販売方法を解説います。
NFT音楽の作り方は外注が早い
NFT音楽の作り方は、ツールで作ったり音楽制作会社に依頼したりすれば簡単に作れます。
自分で作るのが難しい場合は、外注して作るのが1番早いです。
NFT音楽の販売方法・売り方
NFT音楽が用意できれば、さっそくNFTマーケットに出品していきましょう。Openseaを例に解説します。
- 「OpenSeaの公式サイト」にアクセスし、画面右上の「Create」あるいは中央の「作成」をクリック
- 「Create new item」で情報を入力(*印の項目は必須事項)
- 画面下部にある「Create」をクリック
- 販売方法を選べるので、自由に選択
- 「Post Your Listing」をクリック
情報の入力は「Description」を記載しておいたほうが作品の内容が分かりやすいため、入力をしておく方が売れやすいです。
販売方法は以下の違いがあります。
- 「Set Price(固定価格)」
- 「Highest Bid(オークション)」
- Bundle(グループ販売)」
これで販売・出品方法の手続きはすべて完了です。
NFT音楽に関してよくある質問
最後に、NFT音楽に関してよくある質問をご紹介します。
NFT音楽の著作権はどうなるの?
NFT音楽の著作権はその作品を出品したアーティストに帰属します。
もともと著作権の定義は国によって異なり、作品を創作した段階で国がそのアーティストに著作権を提供することから、創作者自ら著作権の保護を申請する必要はありません。
NFTの音楽作品を購入した場合、購入者は著作権者の許諾を必要なく「聴く」「観る」などを行えます。
あくまで所有しても著作権は作成したアーティストなので、NFT音楽作品を勝手に公共の場に展示するのはやめましょう。
NFT音楽配信サービスはある?
NFT音楽では、現実世界のSpotifyのように音楽を聴けるプラットフォームAudiusがあります。
SpotifyやApple Musicのように月定額制で音楽視聴を楽しめ、メ独自トークンAUDIOを用いた収益化手段を提供している点がAudiusの特徴です。
Audius(AUDIO)とは?特徴や将来性を解説【NFT音楽】
NFT音楽は今後ブームになる可能性が高い
今回はNFT音楽の特徴や仕組み、マーケットプレイスの利用方法などをご紹介しました。
- NFT音楽では、専用のプラットフォームを介してデジタル音楽作品の売買ができる
- ユーザーはいままで出会ったことのないレアな音楽作品を見つけられるほか、作品の販売数や拡散数に応じてアーティストも収益化が可能
- NFT音楽を取引できる主要なNFTマーケットは、「OpenSea」と「The NFT Records」、「.mura」の3つ
- 特にOpenSeaは音楽以外にもさまざまなNFT作品を扱っており、欲しいデジタル音楽作品が見つかりやすい
- NFT音楽を購入するには、仮想通貨取引所でETHが必要
NFT音楽はすでに収益性の高さが証明されており、アーティスト側がSpotifyを始めとした中央集権的なプラットフォームを離れて収益機会を得られやすいNFTに流れてくる可能性が高いです。
そうなれば産業はより発展し、2021年に起きたNFTアートのようなブームが起きる可能性があるでしょう。
興味のある方は、ぜひNFT音楽を購入してみてください。
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