「WBTC(Wrapped Bitcoin)ってどんな仮想通貨なんだろう。ビットコイン(BTC)とは何が違うのかな?」と悩む人も多いでしょう。
結論、WBTCは「ビットコイン」と価格が連動しているステーブルコインです。
現在はイーサリアムのブロックチェーン上でDeFiなどさまざまなプロジェクトが登場しており、ビットコインをイーサリアム上でも使えるようにERC20トークンにしたものがWBTCとなっています。
本記事記事では、WBTCについて基本的な解説、分かりにくいビットコインとの違い等について解説していきます。
- WBTCは仮想通貨担保型のBTCステーブルコイン
- ECR-20のトークンでイーサリアムブロックチェーンと互換性がある
- イーサリアムブロックチェーン上のDeFiで利用出来る
- 価格はビットコインとほとんど同じ
WBTCとは?
通貨名 | Wrapped Bitcoin |
シンボル | WBTC |
価格(2021年5月現在) | 約600万円 |
時価総額(2021年5月現在) | 約1兆円 |
取扱取引所 | Binance,OKEx等の海外取引所 |
公式サイト | WBTCの公式サイト |
WBTCとは「Wrapped Bitcoin」の事です。
BitGoやKyber NetworkといったDeFi・仮想通貨業界の主要な企業・組織によって開発されました。
WBTCについて簡単にまとめると「ERC-20のBTCステーブルコイン」と言えます。
ERC-20とは、トークンの規格の1つです。
イーサリアムブロックチェーンの上で利用出来るトークン規格の事で、同時に主要なトークン規格の1つです。
「イーサリアムブロックチェーン系のDeFiやDEXと互換性のあるトークン」であるとも言えます。
ERC-20である事から、イーサリアムブロックチェーンに構築されている様々なDeFiで利用可能です。
WBTCはイーサリアム上でも使えるビットコインで、トークンの価値担保にはビットコインを据えたステーブルコインです。
WBTCのように仮想通貨を担保にしたステーブルコインは、仮想通貨担保型と言われています。
これにより「ビットコインと価格が連動」しており、1WBTCは1BTCと同等の価値を持ちます。
実際に、WBTCを発行・購入したい方は、WBTCのプロジェクトに参加している取引所等から購入が可能です。
具体的な流れとしては、取引所・業者を通して、カストディアン(BitGo)にビットコインを預けて、預けた分のWBTCを発行・受け取ります。
また、WBTCを扱っている取引所で、WBTCを購入する事も出来ます。
WBTCはあくまでステーブルコインなので、利益目的で投資する仮想通貨ではなく運用用の仮想通貨と言えるでしょう。
WBTCを使うメリット3選
次に、WBTCを利用する上でのメリットについてご紹介していきます。
WBTCの特徴的なメリットは、以下の3つにまとめられます。
- ERC-20である
- ビットコインを保有したまま運用が出来る
- DeFi全体の流動性向上
1つずつ解説していきます。
ERC-20なのでイーサ上で運用できる
WBTCのメリットは「ERC-20」の規格に沿ったトークンであるという点です。
WBTCのメリットは、最終的に全て「ERC-20」であるという点に帰結します。
この点についてもう少し深堀りしていきます。
イーサリアムは「スマートコントラクト」という契約をブロックチェーン上で可能にするシステムが大きな特徴です。
イーサリアムブロックチェーン上で作成されるトークンは、ERC-20という規格で統一されている事により、互換性を持っています。
そのため、イーサリアムのスマートコントラクトを用いて、開発されたDEX・レンディングプラットフォームに代表される各DeFi間の利便性は高いです。
ただ、ビットコインは、ERC-20に準拠おらず、イーサリアムブロックチェーンで開発されているプロジェクトには利用できません。
つまり、イーサリアムブロックチェーン上に構築されているDeFiとの相性が悪いのです。
例えば、ビットコインをそのままERC-20規格の著名なDEXであるUniswapやSushiSwapで利用できません。
その一方で、イーサリアム規格にしたWBTCであれば、Uniswap・SushiSwapなどで利用ができます。
ビットコインを保有したまま運用して利益が狙える
ERC-20に準拠したWBTCを利用する事で、ビットコインを売却せずに運用ができます。
ビットコインの価格は長期目線で見ると上昇し続けており、今後も時価総額1位の仮想通貨都として価格上昇を続けるでしょう。
価格上昇が続いているビットコインを保有して、含み益を持っておきたいという方は少なくないはずです。
しかし、仮に保有しているビットコインを「DeFi等で運用したい」と思った場合、ERC-20に準拠した仮想通貨とビットコインを取引所等で、交換する必要が出てきます。
これでは、価格が上昇しているビットコインを手放してしまう事にも繋がります。
このような時に、WBTCを利用すれば、ビットコインを保有したまま、イーサリアムブロックチェーンに構築されたDeFiを利用する事が出来ます。
DeFi全体の流動性向上による利便性の向上
DeFi全体の観点からメリットをご紹介していきます。
WBTCには、様々なイーサリアムブロックチェーン上に構築されているDeFi関連の企業・組織・プロトコルがパートナーとして参加しています。
参加といっても、シンプルにWBTCを扱っているだけや、DAOメンバーとして参加しているものもあり、その形は様々です。
パートナー名 | 参加の形 |
---|---|
AirSwap | スワップ、DAOメンバー |
Kyber Network | スワップ、DAOメンバー |
Uniswap | スワップ |
BitGo | DAOメンバー、カストディアン |
Compound | DAOメンバー |
DAOメンバーとは、WBTCの管理をしているメンバーの事です。
WBTCの中央集権的な側面は発生しますが、DAOを導入する事で権限の分散化を図っているのでしょう。
上記のメンバー以外にも、WBTCのパートナーとなっているメンバーは存在しています。
このようなDeFiの主要メンバーが参加している背景として「ERC-20・DeFi全体の流動性向上」という点が挙げられます。
ERC-20に沿ったプロトコルはイーサリアム上で構築されているため、イーサリアムにおけるプラットフォーム全体の規模以上の発展をする事は出来ません。
WBTCのようにビットコインの流動性を、イーサリアムのプラットフォームに持ってくる事が出来れば、プロトコルにも大きなメリットがあるのです。
WBTCとBTCの違いを初心者向けに解説
WBTCはBTCのステーブルコインであるため、BTCと同等の価値を持ちます。
これにより「実際にどう違うのか?」という点は、利用者観点から見ると分かりにくい部分です。
両者の大きな違いは「WBTCはトークンである」という点と「利用目的の違い」にあります。
- WBTCはトークン
- 利用目的が異なる
1つずつ解説していきます。
WBTCは通貨ではなくトークンである
技術的な面ですが、WBTCはERC-20に準拠したトークンです。
トークンは、ブロックチェーン上で利用される事を前提に開発された仮想通貨で、独自のブロックチェーンを持ちません。
一方で、ビットコインは独自のブロックチェーンを持っている仮想通貨で、技術的な点から見た時に、そもそも成り立ちが異なります。
ブロックチェーンの違いというのは、WBTCとBTCの大きな相違点に挙げられます。
- ビットコイン(BTC):仮想通貨
- ラップドビットコイン(WBTC):トークン
利用目的が異なる
WBTCとビットコインでは、利用目的が異なります。
例えば、ビットコインを長期保有したいといったケースでは、わざわざWBTCで長期保有しておく必要はありません。
WBTCは、あくまで「ERC-20に準拠したDeFi等でBTCを利用するための手段」の1つです。
そのため、ビットコインを保有して将来的な利益を狙うだけならWBTCは必要ありません。
ビットコインを保有しながらイーサリアム上で構築されているプロジェクトで運用したい目的で使われるトークンです。
WBTCの活用事例【利益の狙い方】
WBTCの主な活用事例は、イーサリアムブロックチェーン上に構築されたDeFi等での運用です。
例えば、レンディング系のプロトコルで、レンディングによる利回りを期待したり、DEXにおける流動性の提供で報酬を貰うのも良いかもしれません。
運用の方法は非常に様々で、最近はイーサリアム上のプロジェクト開発が活発なため、これからも運用の選択肢が増えていくでしょう。
ただ、WBTCが利用出来るのはECR-20に準拠したプロトコルが中心なので、イーサリアム以外のブロックチェーンでは利用できません。
基本的に、WBTCでは「BCR-20に準拠したプロトコル」で利用する事が想定されています。
WBTCの過去の価格推移
前述の通り、WBTCはビットコインのステーブルコインのため、価格はビットコインと変わりません。
ただ、需要と供給の関係で、BTCよりも多少高くなったり、安くなったりします。
基本的にWBTCが大幅にBTCの価格と比較して、相対的に大きく上下しないステーブルコインなので、安心して運用できます。
ビットコインは価格変動が大きい仮想通貨ですが、WBTCはステーブルコインの1種なので、リスクがほぼありません。
WBTCの入手方法は2つ
WBTCの入手方法は大きく分けて2つあります。
1つ目はビットコインを元にWBTCを発行するもの、2つ目はシンプルに海外取引所で購入するものです。
何れにせよ、金融庁からの認可を受けている安心な国内取引所で入手する事は出来ません。
主に、WBTCを入手するなら、WBTCのパートナーとなっている取引所(スワップ含む)から発行・購入するのが容易で、以下のような取引所が挙げられます。
- AirSwap
- DeversiFi
- HitBTC
- Kyber Network
- GOPAX
上記の海外取引所を利用するには、基本的に国内取引所で仮想通貨を購入して海外取引所へ送金する手段が必要です。
なぜなら、海外取引所では「日本円から仮想通貨への換金・購入」ができないからです。
どのような仮想通貨の運用方法でも、日本円を用いるケースでは国内取引所への口座開設が必須です。
まだ、国内取引所を開設していないといった方には「コインチェック」で口座開設しておきましょう。
仮想通貨投資をするなら国内取引所を利用しよう
仮想通貨投資をするなら、金融庁からの警告を受けていない国内取引所を利用するのが安全です。特にCoincheckは東証一部上場企業が主要株主で安心です。
名称 | Coincheck(コインチェック) |
取扱通貨数 | 16通貨 |
最低取引金額 | 500円 |
取引手数料 | 取引所なら0円 |
提供サービス | 仮想通貨販売所 仮想通貨取引所 Coincheckつみたて 大口OTC取引 貸仮想通貨 |
公式サイト | 公式サイト |
また、「WBTCを利用したビットコイン運用は難しそう」と感じている方にも「Coincheck」がおすすめです。
コインチェックなら、WBTCのようなステーブルコインを発行・保有しなくても、コインチェックが提供している「貸仮想通貨」というサービスで運用が可能です。
「貸仮想通貨サービス」とは、お客様の保有する仮想通貨について、お客様と当社が消費貸借契約を締結することによって、一定期間当社がお預かりし、契約期間満了後にお預かりした仮想通貨と同量・同等の仮想通貨をお返しするとともに、一定の料率で計算した利用料をその仮想通貨でお支払いするというサービスです。
WBTCを利用すればDeFiで類似のサービスを受ける事は可能なものの、Coincheckのように安心の国内取引所で、運用する事はできません。
そのため、「ビットコインを購入後、運用していきたい」「既に持っているビットコインを利用して利益を出したい」と考えている方にもおすすめです。
WBTCの将来性はより実用的になる
WBTCの「今後・将来性」といった点について解説していきます。
WBTCのようなビットコインを価値の担保にしたトークンはimBTCやtBTCなど、すでにいくつか存在しています。
ただ、どちらもWBTCのような規模感には達しておらず、ビットコインを担保にしたトークンの中ではWBTCが最も使われているでしょう。
そのため、現時点でWBTCの強力な競合相手となるトークンは存在していません。
また、WBTCの用途は「イーサリアムブロックチェーン上で、ビットコインを運用したい」という要望を汲み取ったトークンです。
今後DeFiやDEX等が活発になると、自然とWBTCの取引量も増えていく可能性が高いでしょう。
WBTCはビットコインをより便利にしたトークン
この記事では、WBTCについて解説しました。
WBTCはイーサリアムブロックチェーン上で構築されるDeFiなどのプロジェクトでビットコインをイーサリアム上でも使えるようにERC20トークンにしたものです。
- WBTCはBTCステーブルコイン
- WBTCの発行にはビットコインが必要
- ERC-20に準拠している
- 利用すればビットコインを売らなくても運用出来る
- WBTCの価格はビットコインと連動している
- 仮想通貨投資は「コインチェック」がおすすめ
WBTCは「DeFiなどでビットコインを運用したいけどビットコインを売却したくない」方にピッタリのトークンです。
DeFiやDEXサイドから見ると、ビットコインの流動性の一部を享受できるので、DeFi側とユーザー側の両方にメリットがあります。
WBTCを購入してイーサリアムブロックチェーン上でビットコインを運用してみたい方は、国内取引所でビットコインを購入してWBTCに交換しましょう。
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