「イールドファーミングってどんな仕組みの稼ぎ方なの?やり方やリスクなどを教えてほしい」と悩む方も多いでしょう。
イールドファーミングはDeFiサービスに仮想通貨を預け入れて流動性を提供することで報酬を得る仕組みのことです。
仮想通貨のレンディングサービスやDEXなどに自分の資金を提供していきます。
- イールドファーミングとはDeFiにある稼ぎ方
- 流動性マイニングによりAPRが数十〜数千%を超えることもある
- 変動損失やスリッページ、詐欺・ハッキングなどリスクもある
- ハイリスク・ハイリターンなのでよく吟味したうえで取引することが必要
リスクはありますが、資産を貸し出すだけで金利や手数料収入を受け取れるため、不労所得を作りたい方はぜひ最後までお読みください。
イールドファーミングとは?仕組みや特徴を解説
イールドファーミングはDeFiに流動性を提供する仕組みですが、よくわからない方も多いと思うので仕組みを解説していきます。
イールドファーミングの仕組み
「イールドファーミング」とは、レンディングや分散型取引所といったDefiサービスに暗号資産を預けて、流動性を提供する見返りに金利や手数料収入がもらえる仕組みです。
例えばETHなどの暗号資産を、暗号資産のレンディングプラットフォームに提供します。
その暗号資産を借りたい人が手数料をを払って暗号資産を借り、支払った金利手数料を貸し手が利回り収入として受け取れるのです。
今までは管理者が仲介していましたが、DeFiを使うことにより管理者なしで金利を受け取ることが可能になりました。
イールドファーミングと流動性マイニング
暗号資産を預けて流動性を提供する見返りに、利息に加えて新規トークンを獲得することを「流動性マイニング」と言います。
この「流動性マイニング」がイールドファーミングの大きな特徴です。
- たくさん資産を預けることで利息と新規トークンを獲得できる。
- よりプラットフォームの利用が高まり、トークン価値の上昇になる。
- さらにユーザーを引きつけ、好循環が生まれる。
流動性マイニングが起こす好循環により、イールドファーミングは仮想通貨の稼ぎやすい手段の1つとなっています。
イールドファーミングブームの火付け役
イールドファーミングがブームとなったのはDeFiレンディングサービスのCompoundです。
Compoundは流動性を確保するため、資産を提供した人にトークンのCOMP配布を開始しました。
その結果、ユーザーは爆増しました。
ユーザーが増えた理由は、資産を貸し流動性を提供すればするほど手数料収入が得られ(イールドファーミング)、今後COMPの価値が高まると考えたユーザーが多かったからです。
COMPによる熱狂もあって、DeFiエコシステム内の資金額の合計はすでに37億ドルを超えており、今でも凄まじいスピードで成長しています。
イールドファーミングの何がすごいのか
イールドファーミングのすごさは利回りの高さです。
イールドファーミング自体は昔からあったのですが、流動性マイニングをはじめたことで事態は大きく変化しました。
流動性マイニングの登場により、数十〜数千%を超える異常な高さの年利(APR)を生み出すことが可能となったのです。
資産運用において平均利回りは4~7%ほどが主流ですが、数百%を超える利回りは破格です。ただ、その分リスクもある程度あり、後述しています。
イールドファーミングとDeFiの関係
次はイールドファーミングとDeFiの関係性について解説していきます。
2つの関係性をしっかり理解することで根本の仕組みを理解でき、知識がないために不必要なリスクを背負うことがなくなります。
DeFiとは
従来は銀行や取引所といった管理者を伴う中央集権システムを使って金融取引を行っていました。
しかしDeFi管理者を無くした金融システムを運営しており、管理者がいないので仲介手数料が安くなったり、金融取引がスムーズになりました。
問題点であった「取引銘柄の少なさ」や「流動性の低さ」が解決されたことにより、近年大いに盛り上がりを見せています。
イールドファーミングによるDeFiへの影響
イールドファーミングによる年利が(APR)が数十〜数千%を超える異常な高さの限り、DeFi利用者の数はますます増加していくと考えられています。
また、流動性マイニングによる新規トークン獲得は早いに越したことはありません。
最近のDeFiトークンは発行開始や取引所の上場発表の直後に価格が2~5倍上がることもあります。
イールドファーミングのリスク
イールドファーミングはハイリターンを狙える稼ぎ方ですが、リスクもいくつかあります。
- 変動損失
- スリッページ
- ハッキングや詐欺の恐れ
1つずつ解説していきます。
変動損失(impermanent loss)
変動損失(impermanent loss)とは、仮想通貨を提供するプールに入金した時との価格の変動で起こった損失のことです。
あなたのこのプールにおけるシェアは10%で、合計の流動性は10×1,000の10,000です。
その後、ETHの価格が上昇して、400DAIになったと仮定します。
流動性プールにETHとDAIを貸し出さずに単純にホールドした場合はどうでしょうか。
レートが1ETHと100DAIだったものが、1ETHと400DAIになったので、200ドルが500ドルになったことになります。
つまり保有するだけで500ドルになっていたのに預けると400ドルにしかならないのです。
400ドルと500ドルでは100ドルの差があり、これが変動損失です。
スリッページ
スリッページとは、自分が注文した価格と実際に約定した価格に生じるずれです。
例えば110.375円で買い注文がだせる状態だとします。
110.375円で実際に買い注文をだした瞬間に、実際に約定した価格は思っていた値段よりも高い「110.400円」などになる場合があります。
スリッページによって、注文価格よりも0.025円高く買ったことになります。
この価格差のことをスリッページと呼びます。
イールドファーミングを行うときにもスリッページによるリスクを考慮する必要があります。
ハッキングや詐欺の恐れ
イールドファーミングを行うときには詐欺やハッキングについて考慮しておくことも必要です。
2016年6月にスマートコントラクトの脆弱性によるバグを突かれてハッキングされた「The DAO事件」が起こりました。
最近では、オプション取引が可能なOpynがバグを突かれ、約37万ドル(USDC)が盗まれる事件も起こっています。
また、DeFiはすべてオープンソースで開発されているため、サイトのつくりをそのまま作れます。
イールドファーミングを行えるDeFiサービスにサクセスしたはずが、実は個人情報や資金を抜き取るために作られた詐欺サイトの可能性もあるので、アクセスする際は必ず公式サイトからアクセスしましょう。
おすすめはCoinMarketcapからアクセスするのが安全です。
イールドファーミングの将来性
当初のイールドファーミングはまDeFiを触れる人が少なく、高い年利を実現していましたが、今後DeFiの参加者が増えれば利回りは低下していきます(リスクも減る)
現在の流動性マイニングも、投資というよりは投機の側面が強いです。
また、DeFiトークン市場の投機熱により実際の価値以上の価格をつけられていると思われるものもあります。
投機熱が下がると、連続的な流動性マイニングブームも冷めて急落するリスクがあります。
イールドファーミングを始めて高い金利収入を得たい方は、参加者が増えない今のうちか、ある程度のリスクを背負って参加者の少ないプロジェクトで行うとよいでしょう。
イールドファーミングの始め方
イールドファーミングは基本的にDEX(分散型取引所)で取引をおこないます。
- トークンのペアを決める。
- 資産を「pool」する。(ほとんどのアプリで「pool」ボタンがあります)
- トークンを2つ選び、「Add Liquidity(流動性の提供)」をする。(ほとんどのアプリで「Add Liquidity」ボタンがあります)
- 流動性を提供するトークンの数量を入力します。
- トランザクションを送信します。
- トランザクションが承認されたら「Supply」します。
- トランザクションを送信します。
- 無事にトランザクションが送信されると、Poolのページで自分の預けたトークンを確認することができます。
イールドファーミングを始めるにはまずイーサリアムやビットコインなどの仮想通貨を購入することが必要です。
これから仮想通貨投資を始めるという方であればCoincheckがおすすめです。
イールドファーミングを行えるDEXを紹介していきます。
Uniswap
Uniswapは24時間ユーザー同士で取引を行うことができる分散型取引所です。
2018年から運営が行われており、1,500種類以上の仮想通貨を取り扱っているだけではなく、本人確認を行わなくても取引を開始することができます。
その特徴は、非営利目的であるため手数料がほとんど発生しないところにあります。
ユーザーは中央集権的な仲介なしでほぼすべてのERC20トークンペアを交換できるのです。
UniSwapはDEXの中でも最大規模で、イールドファーミングを行う際もプロジェクトの信頼性は高く安全です。
Compound
Compoundは仮想通貨レンディングサービスで、DeFiでも非常に注目されているサービスです。
主にイーサリアムを初めとした仮想通貨のレンディングサービスを提供しており、貸し手と借り手をスマートコントラクトの技術を使って結びつけるのが特徴です。
余っているETHやトークンを貸し出たユーザーは、利息とガバナンストークンCOMPを獲得できたり、他のトークンを借りたりすることができます。
Aave
Aaveとは、フラッシュローンや信用委任などを提供しているレンディングプラットフォームです。
Aaveプロトコルにロックされている総資産額は10億4,000万ドルであり、DeFiレンディングサービスではMakerに次いで2位につけています。
資産を借りることにより、AAVEトークンの形式で貸付の複利を稼ぐことができます。
また、現在Aaveでは、20種以上のトークンの貸借が可能です。
貸手のユーザーは流動性を提供して金利を得ることができたり、預けた資産を担保として他のトークンを借りて資産運用を行えます。
国内で仮想通貨を購入できるおすすめ取引所
国内でイールドファーミングに必要なイーサリアムなどの仮想通貨を購入できるおすすめの取引所は以下の3つです。
- Coincheck
- DMM Bitcoin
- GMOコイン
1つずつ特徴を見ていきましょう。
コインチェック
名称 | CoinCheck(コインチェック) |
ホームページ | 公式サイト |
取り扱い仮想通貨 | 17通貨 |
最低取引額 | 0.005BTC |
提供サービス | コインチェック電気・コインチェックつみたて |
Coincheckとは、東証一部上場のマネックス証券グループが主要株主の取引所です。
取り扱っている通貨数は全17種類、もちろんイーサリアムを購入することもできます。
コインチェックでは、日本円で全て購入できるので、無駄な手続き・手数料を支払うことなく手続きができます
DMM Bitcoin
名称 | DMM Bitcoin |
公式サイト | 公式サイト |
取り扱い通貨数 | 14種類 |
最低取引額 | 0.0001 |
提供サービス | スマホ本人確認・新規口座開設キャンペーン |
DMM Bitcoinは様々なインターネット・金融サービスを展開している仮想通貨(暗号資産)販売所です。
取り扱い暗号資産数はビットコイン・イーサリアムとする全14種類となっており、自身の好きな暗号資産を選んで取引を行うことが可能です。
また、アルトコインに関してはレバレッジを利用して取引することができます。
しかし、仮想通貨の購入が販売所形式になっており、他の手数料よりコストがかかってしまうので注意です。
GMOコイン
名称 | GMOコイン |
公式サイト | 公式サイト |
取り扱い通貨数 | 9種類 |
最低取引額 | 0.0001BTC |
提供サービス | つみたて暗号資産・毎日10人仮想通貨購入キャンペーン |
GMOコインとは、GMOインターネット株式会社が運営している仮想通貨取引所です。
さまざまな金融サービスを運営しているGMOグループが手掛けているので、仮想通貨取引初心者の方でも安心して始めることができるでしょう。
GMOコインでは、取引所と販売所が提供されているので、自身の取引スタイルや状況に合わせての購入対応ができます。
イールドファーミングのまとめ
本記事はイールドファーミングの仕組みや特徴についてまとめていきました。
- イールドファーミングはDeFiサービスに仮想通貨を預け入れて流動性を提供することで報酬を得る仕組みのこと
- 年利が数十%越えと高く、不労所得になる
- 流動性マイニングが生み出す好循環により市場がますます拡大する
- 詐欺やハッキング、変動損失、スリップページなどのリスクがある
イールドファーミングは利回りは少し下がると思いますが、今後の発展が期待されている分野です。
イールドファーミングはリスクもそこそこ高い分野に入るので、まずはUniSwapなど大手のDEXで少額の資金を使って始めてみましょう。
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