「NFTの種類の1つにNFT漫画というものがあるけど、イマイチどんな特徴があるのかよくわからない。NFT漫画の特徴や始め方をわかりやすく解説してほしい」と悩む方も多いでしょう。
今までの漫画はデジタルデータにしてしまうと誰でもコピーや改ざんが可能になってしまい、海賊版などが流行していました。
しかし、NFT技術によってオリジナル性が担保されるようになり、その固有の価値を証明することが可能になりました。
では、一般的なデジタルデータとNFT化されたデジタル作品では、どのような点が異なるのでしょうか。
本記事では、NFT漫画の仕組みや特徴、デジタル上の漫画・アニメ作品の取引方法を解説します。
- NFTに用いられるブロックチェーンは、その構造から改ざんなどの不正が難しい仕組み
- NFT化されたデジタルデータをブロックチェーン上で取引することで、作品それぞれの唯一性を証明できる
- コピーや海賊版を防止できるため、NFT漫画の市場に大きな注目が集まっている
- NFTマーケットを通じて誰でもオリジナル作品の購入や出品が可能。3つの主要なNFTマーケットを紹介
- 世界最大のNFTマーケット「OpenSea」を例に、具体的な購入方法や販売・出品方法を解説
NFTはアートや漫画のようなコンテンツと相性が良く、NFT漫画は漫画に関わる著作権を保護し漫画文化の発展につながるとして、出版社や漫画家からも注目されている分野です。
本記事で未来に備えて学習していきましょう。
NFT漫画とは
NFT漫画を理解するためには、まずNFTそのものを理解する必要があります。
本来、デジタルデータは第三者が容易にコピーできることから、絵画や宝石といった資産と比べて価値を証明することが困難でした。
一方、デジタルデータをNFT化し、ブロックチェーン上で取引することでデジタルアートや音楽に唯一性が生まれ、それぞれの作品に固有の価値を持たせることができます。
ブロックチェーンはその性質上、取引データの改ざんなどの不正を行うことが極めて難しいからです。
デジタル資産の価値が証明できる仕組みは世界的に注目されており、2021年の夏を境にNFTアートやNFT音楽といったさまざまな分野に派生して市場が拡大しています。
たとえば、デジタルアーティスト「Beeple」の作品が約75億円で落札されるなど、世界では高額なNFT取引も目立ちます。
そしてNFT漫画とは、NFTの仕組みを漫画やコミックの取引市場に応用したものです。NFT漫画も同じくアートの分野に入るため、相性が良いと考えられます。
NFT漫画の特徴は4つ
NFT漫画の仕組みや特徴は以下の通りです。
- ブロックチェーン技術により著作者の権利保護につながる
- 版元情報と市場の来歴を記録する仕組み
- 二次販売における収益を出品者に還元する仕組み
- 有名企業が続々と参入している
1つずつ解説していきます。
ブロックチェーン技術により著作者の権利が保護できる
日本の漫画やアニメが世界的な評価を獲得するなか、国境を越えたオークションで作品が取引されるケースも珍しくありません。
漫画は基本的にデジタルデータで取引されますが、デジタルデータはコピーが容易で、有名作品の違法コピーや海賊版が多く出回ることが問題視されていました。
実際、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構が2020年に行った調査によると、出版における海賊版の被害額は5300億円を超えています。
参考:2019年・オンラインで流通する日本コンテンツの海賊版被害額を推計|お知らせ|一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構CODA
しかしNFT漫画では、デジタルデータが改ざんやコピーができないブロックチェーン上で取引されるため、出品される漫画やアニメに唯一性が確保され、著作者の権利保護につながります。
販売記録が全て履歴に残る
まず、NFTマーケットには、世界の漫画家や漫画作品を扱うパブリッシャーが出品し、多数の作品が一覧で表示されます。
出品された一つひとつの作品にはブロックチェーン証明書が発行され、その作家や版元情報が記録される仕組みです。
よって出品者は作品を出品するに際して、自らの権利情報を証明する必要がありません。
また、出品された作品には、さらに二次流通市場に記録がすべて残る点も特徴です。
そのため、漫画がどのような人に渡っているのか過程をすべて透明化することができます。
作者の収益につながる
本来であれば、ある作品が誰かに購入されると、出品手数料を差し引いた利益を出品者自身が受け取れます。
作品が転売されると転売された収益は作者のものに入らず、転売者のもとにしか入らないのが問題点でした。
漫画のNFTマーケットではその問題を解決し、購入者が第三者に作品を転売(二次販売)した場合でも、その利益の一部が出品者に還元されます。
つまりNFTは漫画家やクリエイターの権利保護につながるだけではなく、収益を拡大できる仕組みが整っていると言えるでしょう。
有名企業が参入し始めている
NFTの仕組みが画期的であることから、NFTはこれまでのデジタルマーケットを一変させる可能性があります。
今後も市場規模の拡大が予測されており、すでにNIKEやadidasなどを始め、有名企業が続々と参入し始めました。
代表的な事例としては、ブロックチェーン証明書発行サービスのスタートバーンと提携する集英社や、シンガポールのテック企業ECOMIにNFT漫画を出品したマーベルなどが挙げられます。
世界中から注目が集まればさらに市場が拡大し、デジタル上の漫画やアニメ作品の価値が高騰する可能性があるでしょう。
NFT漫画の事例5選
NFTマーケットのメリットは、誰もがオリジナル作品を出品できることにあります。
漫画家個人で自分の作品を世界に認知させることも可能で、クリエイターが稼ぎやすい状況を作れるのがNFTです。
実際、すでに漫画やアニメ作品をNFT化するケースは世界的に広まっています。
たまきちひろ先生
IOSTコラボイラストを販売しているNFTマーケットプレイスはこちら↓https://t.co/iCWcAHfyCU#NFT #IOST @nariya @IOSToken_jp pic.twitter.com/2yj8PdBLNh
— Chihiro Tamaki/たまきちひろ (@TamakiChihiro) April 6, 2021
「Walkin’ Butterfly(ウォーキン・バタフライ)」の著者であるたまきちひろ先生は、NFTマーケットTOKENLINKにて、「開発者のために戦うIOSTプラットフォームの戦士」というNFT作品を公開しました。
上記は単なるアート作品ではなく、放置系RPGゲームのCROSSLINKで使えるアイテムとしての機能も持っています。
東村アキコ先生

「ママはテンパリスト」「海月姫」などの代表作がある東村アキコ先生は、NFTマーケットAdam byGMO(β版)にて作品の出品を予定しています。
同マーケットでは、すでに総勢36名の漫画家・イラストレーターの作品が販売されています。
集英社

集英社は、マンガアートやデジタル作品の販売サイト「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」を運営しています。
同社は2021年3月1日、ブロックチェーン証明書発行サービスを提供するスタートバーンと提携し、SHUEISHA MANGA-ART HERITAGEにブロックチェーン技術を導入しました。
2021年9月4日には、漫画家の大暮維人先生のNFT作品を販売しています。
マーベル社
マーベルは、2021年6月にNFT市場への参入を発表しており、2021年8月7日には、NFTマーケットのVeVeでマーベル初のNFTコレクションがリリースされています。
具体的には「Modern Marvel Series 1」と称されるコレクションで、マーベルの人気キャラクターであるスパイダーマンのデジタルフィギュアがラインナップの中心です。
ユーザーはVeVeが提供する複合現実(MR)の機能を通じて、マーベル公式のNFTデジタルコレクション、3Dフィギュア、デジタルコミックが購入できるようになります。
CryptoGames

NFTプラットフォーム「NFTStudio」を運営するCryptoGamesは、京都国際マンガ・アニメフェア2021のリアル連動イベント「360°VR 京まふNFTギャラリー」の出展作品を販売しています。
NFTStudioは、仮想通貨ウォレットがいらずクレジットカードのみで決済できるため、仮想通貨に馴染みのない人でもNFT作品の購入が可能です。
NFT漫画を売買するなら使うべきマーケット
NFT漫画を扱うプラットフォームは多数存在しますが、特におすすめなNFTマーケットは以下の通りです。
- OpenSea
- VeVe
- Coincheck
1つずつ解説していきます。
OpenSea
OpenSeaは2017年12月にサービスを開始した世界最大規模のNFTマーケットです。
日本を含め世界中に市場が公開されており、漫画やアニメ作品はもちろん音楽やアート、トレーディングカードなど、世界中に存在するほぼすべてのデジタル作品を売買できます。
ETHに加えTezosやSolanaなどの豊富なブロックチェーンに対応しており、それだけマーケット内で取り扱われるNFTのバリエーションが多いです。
世界最大規模のため、作品を出品する際も購入されやすいでしょう。
VeVe
VeVeは、デジタルアニメ作品やデジタルフィギュアに特化したNFTマーケットです。
先述した通りマーベルとの提携で一躍有名となりましたが、ほかにもバットマンやウルトラマン、アドベンチャータイムといったデジタル作品も扱っています。
ユーザーは自分だけの仮想ショールームを作ることができ、そのなかに購入した作品を展示または他ユーザーに披露できます。
コインチェック
コインチェックは、国内最大級の仮想通貨取引所です。
コインチェックは取引所だけでなく「Coincheck NFT(β版)」というNFTマーケットを運営しており、作品を購入する原資を取引所で買い、そのままCoincheck NFTでデジタル作品を購入できます。
出品や購入時にかかるネットワーク手数料(Gas代)が無料で、できるだけ運用コストを抑えたい人におすすめです。
いまのところ漫画やアニメ作品は扱っていないものの、現在さまざまな取り組みを進めていることから将来的にNFT漫画を購入できるようになるかもしれません。
NFT漫画の購入方法6ステップ
NFT漫画を購入する方法は以下の通りです。本記事ではNFT漫画を扱う代表的なマーケットOpenSeaによる手順を解説します。
- コインチェックなどの仮想通貨取引所の口座を開設
- 取引所で原資となる仮想通貨を購入
- 仮想通貨ウォレットを作成
- 購入した仮想通貨をウォレットに送金
- OpenSeaにアクセスし、仮想通貨ウォレットと連携
- OpenSeaの検索機能で好みの作品を探し、ウォレットの残金から作品を購入
購入する仮想通貨については、イーサリアム(ETH)をおすすめします。
NFTマーケットではETHベースで取引されることが多いからです。
NFT漫画の販売・出品方法4ステップ
次に、NFT漫画を出品または販売する方法をご紹介します。
- 漫画やアニメのデジタル作品を制作
- OpenSeaのメニュー「Create」から作品を出品
- 出品用のフォーマットに必要事項を記載
- デジタル作品をアップロードして出品完了
OpenSeaでは、作品の販売額や販売期間などはクリエイターが自由に設定できます。
売却時に受け取るのは基本的に仮想通貨(ETHなど)となります。。
NFTを購入するならコインチェックがおすすめ
漫画やアニメ作品に限らずNFTを購入するなら、コインチェックに登録しておくことをおすすめします。
作品購入用の仮想通貨を入手でき、なおかつ同じアカウントでNFTマーケット(Coincheck NFT)を利用できるのはコインチェックのみです。
「仮想通貨を購入する」「NFTマーケットに登録する」という面倒な手続きがワンストップで済むため、スムーズにNFT作品を手に入れられます。
NFT漫画は成長する市場
本記事ではNFT漫画の特徴や仕組みついて解説しました。NFTはすでに大企業も参入しており、アートコンテンツと相性が良いため将来製の見込める分野です。
- NFTにはブロックチェーンが活用されており、デジタル上の漫画やアニメ作品に唯一性が付与される
- NFTマーケットを介して漫画家による作品の出品、ユーザーによる作品の購入が行える
- すでに著名な漫画家やパブリッシャーがNFTに参入しており、今後はさらに市場規模の拡大が予想される
- NFT漫画を取り扱うのは、豊富なデジタル作品を扱うOpenSeaや漫画やアニメ作品に特化したVeVeなどがある
- あらかじめ仮想通貨を用意しておけば、誰でもNFT漫画を購入できる
仮想通貨を購入する際に欠かせないのが取引所ですが、なかでもコインチェックに登録しておくことをおすすめします。
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