「NFTアートを作ったり買ったりしてみたいんだけど、販売方法や購入方法など、全体的に教えてほしいな」と悩む人も多いでしょう。
NFTアートは2021年9月17日には若干8歳の少年が夏休みの自由研究として取り組んだNFTアート作品がなんと約240万円で購入され非常に話題となりました。
NFTアートは2021年を境に取引量や人気が急上昇しており、2022年以降も人気が集まることが予想されています。
本記事では、そんな人気急上昇中のNFTアートの仕組みや特徴、作品を購入・出品する方法を解説します。
- NFTアートはNFTによってコピーや改ざんができなくなったアート
- NFTアートはPhotoshopやIllustratorを使って誰もが作成できる
- おすすめのNFTプラットフォームを紹介
- NFTの販売方法・購入方法を紹介
NFTアートとは
NFTアートについて理解する前にNFTから理解していきましょう。
NFTとは?
NFTとは「Non Fungible Token」の略で、直訳すると「代替不可能なトークン」です。
例えば、プロ野球選手のサイン入り野球ボールと普通の野球ボールはどちらも野球ボールであることには変わりませんが、持っている価値が全く違います。
一方で、「代替可能」とは私たちが普段使用している現金などが当てはまります。なぜなら、現金はどの現金を受け取っても価値が同じだからです。
NFTはブロックチェーンの技術を用いて、この代替不可能と言う唯一無二の性質をデジタル資産に付与することができるようになったのです。
仮想通貨の代表例あるETH(イーサ)はイーサリアムブロックチェーンを利用しているため、仮想通貨と呼ばれトークンとは区別されることが多いです。
一方、NFTは既存のイーサリアムブロックチェーンを利用されることが多いため、トークンという言葉が使用されています。
- 発行者・管理者がいる
- 個人・法人が発行可能
- 独自の価値付けが行われている
参考:bitFlyer
NFTは代替不可能なトークンです。
NFTアートとは?
NFTアートとはブロックチェーン技術を用いて作成される代替不可能なデジタルアートを指します。
従来のアートはインターネット上にコピーや改ざんがされた作品が出回っており、本物の価値を低下させてしまうことがありました。
しかし、NFT化することでたった1つの作品とわかるようになり、最初の所有者は誰か、またそのアートの所有者歴に関する情報を全て記録・確認することができるようになったのです。
NFTアートの仕組み
NFTアートの仕組みについて解説します。
ブロックチェーン技術によって世界に1つの作品に
NFTアートにはブロックチェーン技術が用いられています。
ブロックチェーンを使用するとコピーや改ざんが不可能になり、アートの唯一性が保たれます。
誰でも売買できる
NFTアートはNFTを購入するための仮想通貨さえあれば誰でも購入でき、出品も作品を自分で作れば売買できます。
アーティストとしての知名度に関係なく出品することができるため、小学生が出品したNFTアートが数百万円という価格で落札されることもあります。
(参考:Business Insider)
アーティストの収入がアップする
これまでのアーティストが生み出してきた作品は、2次流通市場でいくら転売されてもアーティストにお金が支払われる仕組みはありませんでした。
しかし、ブロックチェーンの技術を使用したNFTアートでは二次流通市場での取引に対して一定の報酬をアーティストに還元する仕組みを構築できるようになりました。
NFT化することで従来の仕組みで搾取されていたアーティストらが稼げるようになり、作品もよりレベルも高いものが生まれ市場が活発化します。
著作権や商用利用権は手に入らないものがある
NFTアートはデジタル上のアートそのものに価値が与えられる仕組みですが、仮にNFTアートを購入しても著作権や商標利用権は手に入りません。
そのため、購入したNFTを勝手に商標利用することは基本的にNGです。ただ、中には商標利用OKなBOSO TOKYOなどのプロジェクトがあり、購入したNFTを商標利用したい方はそのようなプロジェクトを購入するとよいでしょう。
NFTおすすめマーケットプレイス
現時点における主要なNFTプラットフォームは以下の3つです。
- コインチェック
- OpenSea
- Rarible
コインチェック(Coincheck)
コインチェックは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など計17種類の仮想通貨を売買できる日本を代表する取引所です。
2021年3月24日、コインチェックは同取引所で扱う仮想通貨とNFTを交換できる「Coincheck NFT(β版)」の提供を開始しました。
現在はβ版なのでNFTアートには対応しておらず、特定のゲーム内で使用できる土地やカードのみを売買できる状況です。
- CryptoSpells
- The Sandbox
- NFTトレカ
- Sorare
- Meebits
OpenSea
OpenSeaは、世界最大のNFTプラットフォームです。
最大の魅力としては、初回の取引以外ではガス代(ブロックチェーン上の取引手数料)が発生しません。
Rarible(ラリブル)
OpenSeaに次いで世界的に有名なNFTプラットフォームとして、Raribleが挙げられます。
RaribleはOpenseaやその他マーケットプレイスに比べてユーザーが使いやすい設計になっており、初心者の方でも簡単に売買できます。
ただ、費用は少し高く、売買できる作品の数もOpenseaには劣ります。
NFTアートは2種類ある
NFTアートは大まかに分けて以下の2種類があります。
- 一点モノタイプ
- コレクティブ
一点もの
一点モノタイプは、商品が1つしかない希少価値が高いNFTアートを指します。
有名な画家が描いた絵画のようなイメージで、本物であり知名度があればあるほど価値も高まる仕組みです。
ブロックチェーンを使用しているため偽物の作品が登場してもすぐに区別がつき、ユーザーは本物の価値のある作品だけを保有できます。
偽物が出回らないため、消費者の保護になるメリットもあります。
コレクティブ
コレクティブは、先ほど紹介した一点モノタイプとは違って複数のアートが商品となっています。
一点モノは、その名の通り数は1つしかない唯一無二のアートですが、コレクティブでは複数人が「テイストは共通しているけれど少しずつ細部(パーツの形、輪郭、背景の色など)が違う商品」を購入できます。
コレクティブには以下の特徴がある場合が多いです。
- コレクション性がある
- 保有者のみが参加できるコミュニティがある
コレクティブは作品を集めるのが好きな人が購入しがちなモデルで、限定コミュニティはさまざまな特典があります。
NFTアートの事例
実際にどういったNFTアートが出品されているのかについて、具体的な例を挙げながら見ていきましょう。
日本のNFTアートの例
ここでは、日本のNFTアートの事例を4つご紹介します。
村上隆さんの「お花」
日本を代表するアーティスト村上隆氏は、2021年4月にOpenSeaにて、代表的なモチーフ作品である「お花(Murakami.Flowers)」を公開しました。
現在はいったん出品を取り止め、出品戦略を再構築したうえで再びNFTに挑戦するようです。
シヤチハタの電子印鑑「NFT印鑑」
ハンコの老舗メーカーであるシヤチハタは、ケンタウロスワークスと早稲田リーガルコモンズ法律事務所と共同で、日本初のブロックチェーンを利用した電子印鑑システム「NFT印鑑」を開発しています。
印鑑の印影データをNFT化することで印影と印鑑保有者の情報を統合し、今まで改ざんやコピーが多発していた電子印鑑の唯一性を保とうしています。
手塚プロダクション公式NFTアート
「鉄腕アトム」や「火の鳥」といった数々の名作漫画を描いた、手塚治虫氏のプロダクションでもNFTアートの取り組みが始まっています。
2021年12月にはその第一弾として「鉄腕アトム」が販売され、1点0.08ETH(約35,000円)が1000点全て1時間で完売する人気ぶりを見せました。
川崎ブレイブサンダースのカードゲーム「PICKFIVE」
B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチームである川崎ブレイブサンダースは、ブロックチェーン技術を活用したカードゲーム「PICKFIVE」を2021年4月27日から試験提供しました。
ゲームのプレイヤーは、試合が開始されるまでの間に活躍が予想できる選手カードを選び、試合後のスタッツ(個人成績)をスコア化して順位を競います。
香取慎吾さんのNFTアートチャリティプロジェクト
著名タレントの香取慎吾さんは、2021年9月6日よりNFTアートを利用した「香取慎吾NFTアートチェリティプロジェクト」を開始しました。
プロジェクト開始からわずか1日で参加者1万人という驚異の数字を達成しました。NFTが日本で最も話題になった事例で、今後の活動にも期待です。
海外のNFTアートの事例
海外ではNFTアートが高額で取引されるケースが多く、中でも有名で高額取引されているNFTプロジェクトを紹介します。
Beeple(ビープル)
Beeple(ビープル)のデジタルアート作品「Everydays – The First 5000 Days」は、スケッチを集めてコラージュしたもので、2021年3月11日に終了したオークションでは約6,900万ドル(約75億円)の値をつけました。
CryptoPunks(クリプトパンクス)
宇宙人のポートレート「CryptoPunks(クリプトパンク)」はNFTで初めて高額取引され始めた元祖NFTプロジェクトで、2021年5月11日に約1,700万ドル(約18億5,000万円)で落札されたことで一躍有名となりました。
BAYC
BAYC(Bored Ape Yacht Club)は、アメリカのYuga Labsが制作をしたNFTアートです。
類人猿をモチーフにして描かれており、2022年現在はNFTプロジェクトで最も成功を納めたプロジェクトとして飛躍しています。
価格は100億円超えになっており、ジャスティンビーバーやマドンナなど、海外セレブも購入してSNSのアイコンにしています。
仮想通貨ApeCoin(APE)とは?将来性やBAYCとの関係性を解説
Meebits
Meebitsは、メタバース(仮想空間)で使えるNFTの3Dキャラクターです。
大人気のCruptopunks(クリプトパンクス)を生み出したLarva Labs社が発足したプロジェクトという事で、大きな注目を集めています。
メタバースやNFTゲーム内で購入したキャラクターを使用でき、メタバースとの関連性も強いため将来性に期待できるプロジェクトです。
NFTアートの購入方法
NFTアートを入手する手順は以下の通りです。
- 仮想通貨取引所のアカウントを作成する
- ウォレットを作成する
- 仮想通貨取引所からウォレットに入金する
- OpenSeaなどのNFTプラットフォームにログインする
- NFTアートを探し購入する
①仮想通貨取引所で口座開設する
まずNFTアートを売買する原資を用意するため、仮想通貨取引所のアカウントを作成していきましょう。
取引所は操作が簡単なcoincheckがおすすめです。
- 「コインチェック公式サイト」にアクセスし、トップページ上部にある「会員登録」のボタンをクリック
- 登録したいメールアドレスとパスワードを設定
- メールが届くため、URLをクリック
- 「本人確認書類を提出する」をクリック
- 電話番号の認証をする
- 本人確認をする
本人確認には以下の書類のうち1つを提出します。
- 運転免許証
- パスポート
- 在留カード
- 特別永住者証明書
- 運転経歴証明書
- 住民基本台帳カード
- 個人番号カード
②ウォレットを作成する
OpenSeaなどのNFTプラットフォームを利用するには、資金を管理するためのウォレットが必要です。
ウォレットはMetaMask(メタマスク)がおすすめで、Chromeウェブストアから拡張機能をダウンロードできます。追加手順は以下の通りです。
- 画面右にある「Chromeに追加」をクリック
- 「ウォレットの作成」をクリック
- 「同意します」をクリック
- パスワードを設定
- 「秘密の言葉を表示するには、ここをクリックします」をクリック
- 表示された英単語をすべて正しく選択
これでウォレットの登録はすべて完了です。
③仮想通貨取引所からウォレットに入金
仮想通貨取引所の口座へ、原資となる日本円を入金します。
-
- 左側メニューにある「日本円の入金」を選択
- 画面下部にある「銀行振込」や「コンビニ入金」、「クイック入金」のいずれかを選ぶ
- 銀行振込の場合は振込先を確認し、個人口座から資金を入金する
- コンビニ入金やクイック入金では、「お支払い情報を発行」をクリックしコンビニやATMなどから入金する
NFTはイーサリアム(ETH)で購入される場合が多いため、販売所でETHを購入しましょう。
購入したら、ETHをMetaMaskに送金しなければなりません。送金手順は以下の通り。
- 「コイン送金」をクリック
- 宛先や送金数を記載
- 「送金する」のボタンをクリック
宛先(アドレス)については、先ほど登録したMetaMaskにログインし、そのトップページ上部のアカウント名をマウスオーバーすると表示される仕組みです。
アドレスの横にあるコピーマークをクリックしてコピーし、コインチェックの送金画面の「宛先」の部分に貼り付けます。
④OpenSeaにアクセスする
NFTを購入するには、1番多くの作品が購入できるOpenseaがおすすめです。
- トップページ右上にあるアカウントマークから「My Account Settings」をクリック
- 「Sign In」をクリック
- 登録したMetaMaskアカウントを選択
- 「接続」をクリック
- 「署名」をクリック
- ユーザー名とメールアドレスを登録
あとはメール認証をして完了です。
⑤NFTアートを購入する
あとはOpenseaで購入したいNFTアートを購入しましょう。
詳細ページにはETHベースの価格が表示されているため、「Buy now」をクリックすれば作品を購入できます。
NFTアートの販売・出品方法
次にNFTアートの作り方や販売・出品方法を解説していきます。
- オリジナルアートを用意する
- プラットフォーム上でオリジナルアートの詳細を記入する
- NFTとしてプラットフォーム上でアップロードする
①作品を用意する
NFTアートの作品については、デジタルアートや音楽、映像、画像などであれば何でも構いません(著作権に侵害する作品を除く)。
アートや音楽など、作品を作れないという方は、クラウドソーシングを利用してイラストレーターさんなどに外注するのもアリです。
②NFTマーケットプレイスでオリジナルアートの詳細を記入する
本記事では、OpenSea上でオリジナルアートを出品する方法を紹介します。Openseaの初期設定は先述した手順で同じように行います。
-
- 「OpenSeaの公サイト」にアクセスし、画面右上の「Create」
- 作品データのアップロードし、必要事項に記載(*印の項目は必須事項)
- 「Create」をクリック
③NFT化した作品を売る
最後の出品する準備をします。
- 詳細画面の右上にある「売る」をクリック
- 販売方法を設定する「Post Your Listing」をクリック
これで出品完了です。
販売方法には、「Set Price(固定価格)」と「Highest Bid(オークション)」、「Bundle(グループ販売)」の3種類があり、自由に選択できます。
どんな出品方法が良いかわからない方は、1番一般的な固定価格での販売をおすすめします。
NFTアートの口コミ・評判は悪い?
NFTアートに関する評判や口コミを紹介していきたいと思います。
朝起きたら、、、、 凄いことが起きてた。。。。。 自由研究で描いた、 8才息子(@ZombieZooArt ) の描いたドット絵が、、、 二次流通でスティーブ青木さん(@steveaoki )に買われてた。 しかも1個2ETH×2(約160万円)も。。。。。。。。。
記事冒頭でご紹介した8歳の少年のお話です。ニュースでも取り上げられ、話題になりました。
アーティストではない一般の方でも出品して大金を稼げるチャンスが得られるのがNFTアートの強みです。
国産NFT3つ購入。いろいろ買い集めてます。 買い煽るようですが、、、日本のNFTはこれからなので、投資チャンスもけっこうあるんじゃないかと思ったり思わなかったり。NFA, DYORで。 みなさんおすすめの国内NFTアートがあれば、リプ欄で教えてください。 #NFTJapan
現在、NFTは新しい投資先としても注目を集めています。
今後も市場が拡大していくことを考えると、国内のNFTアートをチェックするのも流行を知る上で重要なポイントといえそうです。
NFTアートに関してよくある質問
NFTアートに関してよくある質問について解説していきたいと思います。
NFTはアート以外にどんな作品があるの?
NFTはアート以外にも以下のような分野があります。
アートがあまり得意ではない人は、他の分野で挑戦してみるのもよいでしょう。
NFTを出品しても売れないんだけど…
NFTアートが売れない人はそもそも作品が人の目に留まっていない可能性があるため、SNSを通じてNFTを購入している人とつながり、露出を増やす必要があります。
まずはSNSでフォロワーを増やして作品の認知度を向上しましょう。
購入するべきNFTは?
NFT作品は玉石混交で、値上がりするNFTを見極めるのは難しいです。ただ、Twitterで話題になり始めたNFTは一時的に価格高騰する可能性が高く、短期売買で利益を得られる可能性があります。
そのため、Twitterでトレンドをいち早くキャッチし、話題になっているNFTを購入してみましょう。